成人の場合でもインフルエンザのときはロキソニンなどのNSAIDsを投与すべきではない?
他のNSAIDsは症例数が少なく不明な点が多い。
小児科学会では基本的にNSAIDsを避けるべきとしている。(そもそもほとんどのNSAIDsは小児の解熱に適応がない)
ポンタールやボルタレンの添付文書には小児への投与はしないこととなっているが成人に関しては記載なし。
リスクはどうなんでしょうか。
リスクはどうなんでしょうか。
インフルエンザと解熱剤に関する各種見解
平成 13 5 年 月 日 30 インフルエンザによる発熱に対して使用する解熱剤について (医薬品等安全対策部会における合意事項)
(1)
① 平成 11 年度の同研究では、インフルエンザ脳炎・脳症を発症した患者において、ジクロフェナクナトリウム又はメフェナム酸の使用群は、解熱剤未使用群と比較してわずかながら有意に死亡率が高いと報告された。② 平成 12 年度の調査では、ジクロフェナクナトリウムの使用群と他の解熱剤使用群との比較をした結果、ジクロフェナクナトリウムの使用群についてより高い有意性をもって死亡率が高いことが示された。また、脳の病理学的検査が行われ、脳血管に損傷が生じていることが特徴的に見出された。
(2) 平成12年11月、上記の研究結果を踏まえ厚生省では、ジクロフェナクナトリ ウムについて、明確な因果関係は認められないものの、インフルエンザ脳炎・脳症患者に対する投与を禁忌とすることとし、ジクロフェナクナトリウムを含有する解熱剤を製造、販売する関係企業に対し、使用上の注意の改訂等を指示した。
(3) 一方、日本小児科学会では、平成 年 12 11 月、インフルエンザに伴う発熱に対 して使用するのであればアセトアミノフェンが適切であり、非ステロイド系消炎剤の使用は慎重にすべきである旨の見解を公表した。
2.医薬品等安全対策部会における検討結果
薬事・食品衛生審議会 医薬品等安全対策部会の場において、日本小児科学会、研究者、製薬企業、さらに 市民団体であるCOML東京も交えて意見交換を行い、次の合意事項を得た。 『小児のインフルエンザにともなう発熱に対して、メフェナム酸製剤の投与は基本的に行わないことが適当である』
平成 13 5 年 月 日 30 小児のライ症候群等に関するジクロフェナクナトリウム の使用上の注意の改訂について
※ライ症候群はインフルエンザ脳症の1つの病型
平成 12 年以降新たに解熱鎮痛剤を投与された患者において、意識障害、痙攣等の脳症症状の症例報告が集積したことから、サリチル酸系医薬品、ジクロフェナクナトリウムを含め解熱鎮痛剤全般について、改めて平成 6 年以降に報告されたものも含め、薬剤使用の影響が疑われる急性脳症 28 例を検討した結果、次のような結論を得た。
(1) サリチル酸系医薬品(アスピリン及びサリチルアミド)について
ライ症候群と確定されていないものを含め 28 例中 16 例と報告例が最も多いが、使用制限の措置を行って以降に投与されていた小児の症例が、配合剤で 例2 あった(単味剤ではジクロフェナクナトリウムとの併用例 1 例 。) このため、特にサリチル酸系医薬品の配合剤について、平成 10 年の措置の趣旨を改めて注意喚起を行うことが適当と判断された。
(2) ジクロフェナクナトリウムについて
次の理由から、ライ症候群に関する安全対策として、サリチル酸系医薬品と同様に、小児のウイルス性疾患(水痘、インフルエンザ等)の患者への投与を原則禁忌とすることが適当と判断された。
① 28 例中 10 例において投与されており、特にライ症候群と確定された症例 では、アスピリン等サリチル酸系医薬品と近似した発生傾向が見られること
② 小児における緊急を要する解熱目的には、ジクロフェナクナトリウム以外の他の解熱鎮痛剤の投与や代替処置で十分対応が可能であること
→小児においてはジクロフェナク、メフェナム酸、サリチル酸系(アスピリン、エテンザミド)は投与すべきではない。
成人においてもわざわざこれらを使わずにカロナールを使用すればよいのでしょうけれど、ロキソニンとかはわりと処方されている。
安全性はどうなんでしょうか。
(1) サリチル酸系医薬品(アスピリン及びサリチルアミド)について
ライ症候群と確定されていないものを含め 28 例中 16 例と報告例が最も多いが、使用制限の措置を行って以降に投与されていた小児の症例が、配合剤で 例2 あった(単味剤ではジクロフェナクナトリウムとの併用例 1 例 。) このため、特にサリチル酸系医薬品の配合剤について、平成 10 年の措置の趣旨を改めて注意喚起を行うことが適当と判断された。
(2) ジクロフェナクナトリウムについて
次の理由から、ライ症候群に関する安全対策として、サリチル酸系医薬品と同様に、小児のウイルス性疾患(水痘、インフルエンザ等)の患者への投与を原則禁忌とすることが適当と判断された。
① 28 例中 10 例において投与されており、特にライ症候群と確定された症例 では、アスピリン等サリチル酸系医薬品と近似した発生傾向が見られること
② 小児における緊急を要する解熱目的には、ジクロフェナクナトリウム以外の他の解熱鎮痛剤の投与や代替処置で十分対応が可能であること
→小児においてはジクロフェナク、メフェナム酸、サリチル酸系(アスピリン、エテンザミド)は投与すべきではない。
成人においてもわざわざこれらを使わずにカロナールを使用すればよいのでしょうけれど、ロキソニンとかはわりと処方されている。
安全性はどうなんでしょうか。
成人へのNSIADs投与
成人の新型インフルエンザ治療ガイドライン2014
"現在のところ、我が国および海外を含めて成人のインフルエンザ脳症に関する報はあるものの、病態や臨床像を詳細に検討した報告は数少ないのが現状であり、成人のインフルエンザ
脳症の診断・治療について今もところ確立されたものはない。"
となっており、そもそも脳症のデータが少ない。
なので、結論は出せない状況。
医師によっても意見が分かれている。
となっており、そもそも脳症のデータが少ない。
なので、結論は出せない状況。
医師によっても意見が分かれている。
添付文書上の記載
ボルタレン(ジクロフェナク)
禁忌
インフルエンザの臨床経過中の脳炎、脳症
重要な基本的注意
"ジクロフェナクナトリウム製剤を投与後にライ症候群を発症したとの報告があり、また、同効類薬(サリチル酸系医薬品)とライ症候群との関連性を示す海外の疫学調査報告があるので、本剤を小児のウイルス性疾患の患者に投与しないことを原則とするが、投与する場合には慎重に投与し、投与後の患者の状態を十分に観察すること。
〔ライ症候群:水痘、インフルエンザ等のウイルス性疾患の先行後、激しい嘔吐、意識障害、痙攣(急性脳浮腫)と肝臓ほか諸臓器の脂肪沈着、ミトコンドリア変形、AST(GOT)、ALT(GPT)、LDH、CK(CPK)の急激な上昇、高アンモニア血症、低プロトロンビン血症、低血糖等の症状が短期間に発現する高死亡率の病態である。〕"
ポンタール(メフェナム酸)
重要な基本的注意
" 1. 小児のインフルエンザに伴う発熱に対しては、原則として本剤を投与しないこと。"
" 1. 小児のインフルエンザに伴う発熱に対しては、原則として本剤を投与しないこと。"
ロキソニン(ロキソプロフェン)
記載なし
アスピリン
重要な基本的注意
”1. サリチル酸系製剤の使用実態は我が国と異なるものの、米国において、サリチル酸系製剤とライ症候群との関連性を示す疫学的調査報告があるので、本剤を15歳未満の水痘、インフルエンザの患者に投与しないことを原則とするが、やむを得ず投与する場合には、慎重に投与し、投与後の患者の状態を十分に観察すること。〔ライ症候群:小児において極めてまれに水痘、インフルエンザ等のウイルス性疾患の先行後、激しい嘔吐、意識障害、痙攣(急性脳浮腫)と肝臓ほか諸臓器の脂肪沈着、ミトコンドリア変形、AST(GOT)・ALT(GPT)・LDH・CK(CPK)の急激な上昇、高アンモニア血症、低プロトロンビン血症、低血糖症等の症状が短期間に発現する高死亡率の病態である。〕 ”
小児等への投与
”2) 15歳未満の水痘、インフルエンザの患者に投与しないことを原則とするが、やむを得ず投与する場合には、慎重に投与し、投与後の患者の状態を十分に観察すること。”
インフルエンザに対して禁忌にはなっていないものの、どれも原則小児のインフルエンザには投与しないこととなっている。
成人に関しては記載なし。
なので、投与はできるし、処方もみる。
”1. サリチル酸系製剤の使用実態は我が国と異なるものの、米国において、サリチル酸系製剤とライ症候群との関連性を示す疫学的調査報告があるので、本剤を15歳未満の水痘、インフルエンザの患者に投与しないことを原則とするが、やむを得ず投与する場合には、慎重に投与し、投与後の患者の状態を十分に観察すること。〔ライ症候群:小児において極めてまれに水痘、インフルエンザ等のウイルス性疾患の先行後、激しい嘔吐、意識障害、痙攣(急性脳浮腫)と肝臓ほか諸臓器の脂肪沈着、ミトコンドリア変形、AST(GOT)・ALT(GPT)・LDH・CK(CPK)の急激な上昇、高アンモニア血症、低プロトロンビン血症、低血糖症等の症状が短期間に発現する高死亡率の病態である。〕 ”
小児等への投与
”2) 15歳未満の水痘、インフルエンザの患者に投与しないことを原則とするが、やむを得ず投与する場合には、慎重に投与し、投与後の患者の状態を十分に観察すること。”
インフルエンザに対して禁忌にはなっていないものの、どれも原則小児のインフルエンザには投与しないこととなっている。
成人に関しては記載なし。
なので、投与はできるし、処方もみる。
その他
ノバルティスのホームページ
"ボルタレン錠、ボルタレンサポの成人への解熱目的の使用は可能か?
インフルエンザの臨床経過中の脳炎・脳症の患者は禁忌に該当いたします。インフルエンザ脳炎・脳症を発症している患者を除いて、成人患者(インフルエンザの患者を含め)への解熱目的での使用は制限されておりません。ただし、インフルエンザの臨床経過中に脳炎・脳症を発症する可能性を考慮しますと、他の解熱剤の使用を検討することが望ましいと考えられます。 ※小児では、ウイルス性疾患の患者に投与しないことが原則です。"
まぁそうですよね。
わざわざ脳症に禁忌のボルタレンを使用する必要性がないですね。
インフルエンザの臨床経過中の脳炎・脳症の患者は禁忌に該当いたします。インフルエンザ脳炎・脳症を発症している患者を除いて、成人患者(インフルエンザの患者を含め)への解熱目的での使用は制限されておりません。ただし、インフルエンザの臨床経過中に脳炎・脳症を発症する可能性を考慮しますと、他の解熱剤の使用を検討することが望ましいと考えられます。 ※小児では、ウイルス性疾患の患者に投与しないことが原則です。"
まぁそうですよね。
わざわざ脳症に禁忌のボルタレンを使用する必要性がないですね。
まとめ
小児:インフルエンザ時にNSAIDsは投与すべきではない。(特にボルタレン、ポンタール)
成人:データなし。不明。禁忌や投与回避にはなっていないが、無駄に使用する必要性なし。