二日酔いにロキソニンは有効か

二日酔いからくる頭痛にロキソニンなどの鎮痛薬は効果がある?

先日日経DIでこんなものを見つけた。
"2017.9.28「二日酔い」と「ロキソニン」で考える、臨床研究のあるべき姿"

医師アンケートでは医師の2割が二日酔いの頭痛にロキソニンを服用したことがあると答えている。

そして、日本臨床研究学会の方がクラウドファンディグを利用して資金を調達し、ロキソニンの二日酔いに対するプラセボ比較試験を実行している。

結果を探してみましたが、その辺には落ちていないようです。
計画書によると500人で実施予定となっており、なかなか興味深いのですが・・・
R3.2.14更新
上記臨床試験の結果が2020年6月に論文として出ておりました。
A nationwide randomized, double-blind, placebo-controlled physicians’ trial of loxoprofen for the treatment of fatigue, headache, and nausea after hangovers
(内容は後述)


頭痛にロキソニンは有効。

では、二日酔いからくる頭痛には? 
頭痛=プロスタグランジン類産生によるものならNSAIDsであるロキソニンは効きそうですが、どうなんでしょうか。


二日酔いの頭痛発生メカニズム

二日酔いのメカニズムは完全にわかっていないようですが、以下のことが考えられている。

①アセトアルデヒドによるもの
アセトアルデヒドは血管拡張作用があり、脳血管が拡張されることで神経が圧迫され、頭痛を起こす。
また、血管拡張→水分が脳内に漏れ出て脳浮腫となる。
この際、プロスタグランジン類も産生される。※1

ただし、二日酔い時にアセトアルデヒドを測定してもそこまで高くなっていることはなく、本当にアセトアルデヒドのせいなのかは不明なよう。

②脱水
アルコールは代謝されて水と二酸化炭素になるが、代謝過程で産生する以上の水を必要とする。
また、利尿作用もあるためアルコールで水分摂取しても脱水になる。
(1L飲むと1.1L失うイメージ)


③低血糖症状
アルコールの代謝過程で産生する物質により糖新生が抑制されるらしい。
よって低血糖となり頭痛、倦怠感などの症状が出ることも考えられている。



上記以外にも様々な要因が絡んでおり、最初に述べたように明確なメカニズムはわかっていないよう。

プロスタグランジン類がかかわっているのであればロキソニンなどのNSAIDsは効きそう。


二日酔いに対するロキソニンの有効性

冒頭で紹介した医師を被験者とした二日酔いに対するロキソニンの有効性に関する試験
日本で行われています。※1

目標は500人だったようだが、実際は229人となったようです。
二日酔いが起こるたびに薬を飲んで、その後の倦怠感や頭痛がどうなるかを調べています。

臨床試験の概要

対象:229人(ロキソプロフェン投与群114人、プラセボ115人)
   ※150名に二日酔いが起こった時点で試験終了と決めており、評価されたのはロキ  ソプロフェン群74人、プラセボ75人)
除外基準:NSAIDsの常用、重篤な合併症、胃潰瘍既往歴
試験デザイン:二重盲検無作為化プラセボ対照試験
主要評価項目:投与前後(3時間後)の倦怠感の差(VASで測定)
副次評価項目:頭痛、悪心、副作用発現率
結果:倦怠感、吐き気は差なし。頭痛はロキソプロフェン群で有意に改善。


頭痛には効いたという結果。

倦怠感、吐き気には効かない。
そもそもロキソニンを倦怠感や吐き気には使用しないと思いますのでこれは普通では・・・? 発熱によるだるさは別として。

2重盲検でプラセボを対象にしているのでエビデンス的には結構良いのではないかと思います。対象が医師だけという問題がありますが。



余談ですが、この論文の書き始めに背景として「二日酔いは職務遂行能力を下げ、頻繁な受診により経済活動に悪影響を与えます」と書かれている。

じゃ~酒飲むなよって言いたいですけど、飲まないストレスによる経済への悪影響のほうが大きいのですかね笑



二日酔いに対するNSAIDsの有効性

ロキソニンに限らず取りあえずNSAIDsで探して見ると1件ヒットしました。

二日酔いの頭痛及びプロスタグランジンについて トルフェナム酸の予防治療が有効かを検証している。

有料なので全文読んでいませんが、トルフェナム酸というNSAIDsを飲酒前及び就寝前に服用した場合としなかった場合(プラセボ)で翌朝の頭痛、吐き気、口喝等を比較した。

臨床試験の概要

患者数:30人
試験デザイン:2重盲検クロスオーバー試験
評価項目:主観的な評価(頭痛、吐き気、悪心、口喝、振戦など)
結果:トルフェナム酸服用群で優位に症状改善

酒飲む前にNSAIDsとは、胃のことは完全無視ですね。
プロスタグランジン類(PGE2)はアルコールの摂取と相関して増加していたとのこと。

頭痛が改善するのはわかりますが、口喝とか吐き気も・・・? どうやって評価したのか気になるところです。




どちらの試験とも頭痛は改善しているので、取りあえず頭痛に効きそうです。

それよりも水分摂取を忘れずに。

まとめ

ロキソニン、NSIADsにより二日酔いの頭痛は改善するとの報告あり。

その他の症状(吐き気、倦怠感)は対しては、有効t無効どちらの結果もあるが、効かないとする臨床試験のほうが信頼性が高そう。


※1Alcohol . 2020 May;84:21-25.
※2ephalalgia. 1983 Mar;3(1):31-6.
 2019年6月16日

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