メラトニンとロゼレムの比較

メラトニン製剤は睡眠障害に有効か?

メラトニンは松果体から分泌されるホルモンで概日リズム(サーカディアンリズム)の調節作用がある。

光に当たると分泌が抑制されるため、夜間は昼間の数十倍分泌される。

日本においては医薬品として使用される成分本質リストに入っているため医薬品としての承認を得なければ販売できず、今のところ1剤もない。
米国では栄養補助食品とされており普通にドラッグストア等で購入できる。

このメラトニンは時差ボケや不眠にどの程度有効なのでしょうか。


メラトニンとロゼレム(ラメルテオン)の作用比較

どちらもメラトニン受容体に作用するが、受容体への親和性はラメルテオンのほうが圧倒的に強く、睡眠改善にかかわるとされているMT1,MT2への選択性も高い。

MT1:体温低下により眠りを誘う
MT2:体内時計を同調、サーカディアンリズムを整える。

上記薬理試験では、ロゼレムはメラトニンの約5-15倍の親和性がみられている。

ロゼレムは8㎎、メラトニンは0.5~5㎎程度で売られている。



メラトニンの有効性

"一般的にメラトニンの催眠作用は弱く、寝る前に服用しても寝つきは若干良くなるものの、不眠症の改善効果は乏しいことが分かっています。 非24時間睡眠覚醒リズム・睡眠相後退症候群・交代勤務睡眠障害・時差症候群などの概日リズム睡眠障害(睡眠・覚醒リズム障害)に対してはメラトニンが有効ですが、メラトニンのリズム調整作用を十分に引き出すには特殊な時間帯での服用が必要です(寝る前ではありません。時間帯を決めるには睡眠検査が必要です)"※1


厚労省のほうではこのように記載されていますが、以下の※2文献では不眠に対しても有効性を示している。


”1683人の被験者(原発性睡眠障害=一般的な不眠)を含む19の研究がこのメタ分析にでは、メラトニンは睡眠潜時の短縮がみられている(加重平均差(WMD)= 7.06分[95%CI 4.37〜9.75]、Z=5.15、p<0.001)および総睡眠時間の増加(WMD = 8.25分[95%CI 1.74) 14.75]まで、Z = 2.48、p=0.013)。

より長い期間で、より高用量のメラトニンを使用した試験では、睡眠潜時の短縮と総睡眠時間の延長に大きな効果を示した。 全体の睡眠の質は、プラセボと比較して、メラトニンを服用した被験者(平均差= 0.22 [95%CI:0.12〜0.32]、Z=4.52、p<0.001で著しく改善された。

睡眠の質に対する試験期間とメラトニンの用量の有意な影響は観察されなかった。”※2

睡眠潜時の変化

睡眠時間の変化

試験間で差が大きいが、トータルでは有効となっている。

時差ぼけだけではなく、通常の不眠に対してもある程度有効性は期待できそう。

まとめ

メラトニンはラメルテオン(ロゼレム)より弱いが、不眠症に有効とするデータあり。


※1 厚生労働省 e-ヘルスネット
※2 PLoS One. 2013; 8(5): e63773. 
 2019/09/23

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