フェントステープは40度以上で吸収が増加する? ぬるま湯やシャワーなら問題ない?
”本剤貼付部位の温度が上昇するとフェンタニルの吸収量が増加し、過量投与になり、死に至るおそれがある。本剤貼付中は、
外部熱源への接触、熱い温度での入浴等を避けること。発熱時には患者の状態を十分に観察し、副作用の発現に注意すること。”
また、慎重投与には以下の記載がある。
”40℃以上の発熱が認められる患者[本剤からのフェンタニル 放出量の増加により、薬理作用が増強するおそれがある”
これは付属の指導せんにも記載されているので、まぁ把握しているであろうが、では、この設定の根拠はなんでしょうか。
また、何度くらいのお風呂であれば大丈夫なんでしょうか。
また、慎重投与には以下の記載がある。
”40℃以上の発熱が認められる患者[本剤からのフェンタニル 放出量の増加により、薬理作用が増強するおそれがある”
これは付属の指導せんにも記載されているので、まぁ把握しているであろうが、では、この設定の根拠はなんでしょうか。
また、何度くらいのお風呂であれば大丈夫なんでしょうか。
警告:温度上昇の根拠
インタビューフォームはないので、申請資料概要を見てみると以下の記載がある。
1.8.5 使用上の注意(案)及びその設定根拠
【警告】
本剤の温度が上昇するとフェンタニルの吸収量が増加し、過料投与になり、市にいらる恐れがある。本剤貼付中は、外部熱源への接触、熱い温度での入浴等を避けること。発熱時には患者の状態を十分に観察し、副作用の発言に注意すること。
警告の設定根拠
温度の上昇によりフェンタニルの吸収量が増加し、過量投与になり死に至るおそれがあることから、類薬(マトリクス型のフェンタニル経費吸収型製剤)の添付文書を参考に設定した。)
【警告】
本剤の温度が上昇するとフェンタニルの吸収量が増加し、過料投与になり、市にいらる恐れがある。本剤貼付中は、外部熱源への接触、熱い温度での入浴等を避けること。発熱時には患者の状態を十分に観察し、副作用の発言に注意すること。
警告の設定根拠
温度の上昇によりフェンタニルの吸収量が増加し、過量投与になり死に至るおそれがあることから、類薬(マトリクス型のフェンタニル経費吸収型製剤)の添付文書を参考に設定した。)
ということで、この設定はデュロテップパッチMTをそのまま引っ張ってきている模様。
では、デュロテップパッチMTはどうなのか。
デュロテップパッチは元々リザーバータイプだったものが製品改良でMT(マトリックス)となった。
フェントステープはマトリックスタイプなので、デュロテップパッチMTの設定をもとに決められたことになる。
フェントステープ1㎎がデュロテップパッチMT2.1㎎と等価(定常状態で同じ吸収量になる)
フェントスは1日製剤、デュロテップパッチMTは3日製剤であるので、温度による吸収の変化は異なりそうですが・・・
とりあえず、参考としているデュロテップパッチの温度影響を調べてみました。
吸収量と温度について
以下はデュロテップパッチMTの審査報告書より
(4)外因性要因の検討
1)貼付部位加温の影響を検討した試験(5.3.3.4.1:C-20-005-01)外国人健康成人男女25例を対象として、本剤又は既承認製剤25µg/hを単回貼付し、貼付期間中電気パッドにより貼付部位を加温(貼付0から10時間後及び26から36時間後。非加温群の皮膚温はそれぞれ29.5~35.9℃(貼付10時間後)及び30.4~36.1℃(貼付36時間後)であり、加温群の皮膚温はそれぞれ32.2~38.4℃(貼付10時間後)及び35.4~37.6℃(貼付36時間後)(最小~最大))したときの両製剤の薬物動態に対する貼付部位の加温による影響及び加温群と既承認製剤50µg/h非加温群の薬物動態を交叉比較法により検討したとき、貼付0から10時間後に加温したときの血清中未変化体濃度は、本剤25µg/h及び既承認製剤25µg/hの加温群いずれにおいても、非加温群と比較して上昇した。貼付10時間後の血清中フェンタニル濃度(C10)及びAUC(0→10)の比(加11温群/非加温群)とその90%信頼区間は、本剤25µg/hで1.61[1.31,1.97]及び2.20[1.69,2.86]であり、既承認製剤25µg/hで1.81[1.47,2.23]及び2.84[2.17,3.72]であった。貼付26から36時間後において加温したときの血清中未変化体濃度は、両製剤間で同程度の上昇が認められたが、上昇の程度は比較的小さく、貼付26から36時間後でのCmax及びAUC(26→36)の比とその90%信頼区間(加温群/非加温群)は、本剤25µg/hで1.11[1.00,1.24]及び1.15[1.05,1.27]であり、既承認製剤25µg/hで1.22[1.09,1.36]及び1.26[1.15,1.39]であった。また、本剤25µg/h及び既承認製剤25µg/hの加温群と既承認製剤50µg/h群(非加温群)の薬物動態を比較した結果、両製剤の加温群のC10及びAUC(0→10)は、既承認製剤50µg/群よりいずれも高値であったが、AUC(26→36)は既承認製剤50µg/h、本剤25µg/hの加温群及び既承認製剤25µg/hの加温群でそれぞれ9.25±2.30、5.91±2.02及び6.29±1.65ng・h/mLであり、両製剤の加温群ともに既承認製剤50µg/hより低値であった。”
1)貼付部位加温の影響を検討した試験(5.3.3.4.1:C-20-005-01)外国人健康成人男女25例を対象として、本剤又は既承認製剤25µg/hを単回貼付し、貼付期間中電気パッドにより貼付部位を加温(貼付0から10時間後及び26から36時間後。非加温群の皮膚温はそれぞれ29.5~35.9℃(貼付10時間後)及び30.4~36.1℃(貼付36時間後)であり、加温群の皮膚温はそれぞれ32.2~38.4℃(貼付10時間後)及び35.4~37.6℃(貼付36時間後)(最小~最大))したときの両製剤の薬物動態に対する貼付部位の加温による影響及び加温群と既承認製剤50µg/h非加温群の薬物動態を交叉比較法により検討したとき、貼付0から10時間後に加温したときの血清中未変化体濃度は、本剤25µg/h及び既承認製剤25µg/hの加温群いずれにおいても、非加温群と比較して上昇した。貼付10時間後の血清中フェンタニル濃度(C10)及びAUC(0→10)の比(加11温群/非加温群)とその90%信頼区間は、本剤25µg/hで1.61[1.31,1.97]及び2.20[1.69,2.86]であり、既承認製剤25µg/hで1.81[1.47,2.23]及び2.84[2.17,3.72]であった。貼付26から36時間後において加温したときの血清中未変化体濃度は、両製剤間で同程度の上昇が認められたが、上昇の程度は比較的小さく、貼付26から36時間後でのCmax及びAUC(26→36)の比とその90%信頼区間(加温群/非加温群)は、本剤25µg/hで1.11[1.00,1.24]及び1.15[1.05,1.27]であり、既承認製剤25µg/hで1.22[1.09,1.36]及び1.26[1.15,1.39]であった。また、本剤25µg/h及び既承認製剤25µg/hの加温群と既承認製剤50µg/h群(非加温群)の薬物動態を比較した結果、両製剤の加温群のC10及びAUC(0→10)は、既承認製剤50µg/群よりいずれも高値であったが、AUC(26→36)は既承認製剤50µg/h、本剤25µg/hの加温群及び既承認製剤25µg/hの加温群でそれぞれ9.25±2.30、5.91±2.02及び6.29±1.65ng・h/mLであり、両製剤の加温群ともに既承認製剤50µg/hより低値であった。”
これ以上のデータは見当たらず。
ここでいう既承認製剤とはリザーバータイプのデュロテップパッチ。
リザーバータイプと比較するとMTは温度の影響が少ない模様。
デュロテップパッチMTの温度の影響は、
10時間後でAUC:1.8倍(皮膚温は32.2~38.4)
36時間後でCmax:1.11倍、AUC1.15倍(皮膚温は35.4~37.6)
上記より、入浴をどう判断するか難しいところ。
10時間もつかることはないでしょうが、体温上昇により吸収が増加することは確か。
また、同じマトリックス製剤ではあるが、上記データをフェントステープにそのまま当てはめるのもどうかと思う。
数分のシャワー、ぬるま湯であれば問題ないであろうと思う。
夏場エアコン入れないほうがよっぽど暑い気がする・・・
まとめ
添付文書上、40℃以上の発熱時は慎重投与
貼付部位を温めないように記載はあるが具体的な温度設定記載なし
フェントスの警告はデュロテップパッチMTを参考にされている
デュロテップパッチMTは加温によりAUCが1.15~1.8倍(皮膚温32.2~38.4)とのデータはあるが詳細不明。
参考
フェントステープ添付文書、申請資料概要、審査報告書
デュロテップパッチMT添付文書、審査報告書