同ランク内のステロイド外用剤の強さ

同じランクに属するステロイド外用剤間の強さ比較

以前ミディアムに分類されるロコイド、アルメタ、キンダベートについてインタビューフォームの力価を比較してみましたが、海外のガイドラインを見るとインタビューフォームの力価と異なったランク分けがされている。

その他日本と海外でランクがいれて変わっているものモア利器になったので、同ランクに属するステロイド外用剤の強さについて、各インタビューフォーム等よりまとめてみました。


ステロイド外用剤ランク

日本は5段階だが、アメリカは7段階となっている。※1
ちなみにヨーロッパは4段階だそうです。

日本

アメリカ



アメリカの分類は同成分でも基剤、濃度によってランクが異なってくる。

アルメタはロコイドより下になっているが、日本ではアルメタ0.1%だが、アメリカは0.05%と1/2になっている。

だからアルメタのほうが弱くなっているのか、と思いましたが、ステロイド外用剤はほとんど飽和しているため濃度を下げても有効性が変わるものはほとんどないと言われている。(パンデルは例外)※3

まぁそんなに差はないのでしょうか。目安ですかね。


同ランク内での強さ比較

ストロンゲスト間

デルモベート≒ダイアコート、ジフラール
・デルモベートとダイアコート、ジフラールは同等の血管抑制作用※18,19

デルモベート>リンデロン
・デルモベートはリンデロンより強い血管収縮抑制、浮腫抑制、肉芽腫抑制※20

ベリーストロング、ストロング間

フルメタ>リンデロンDP 
・フルメタ、リンデロンDPでは浮腫抑制、関節炎抑制作用はフルメタとなっている。※4

アンテベート≧リンデロンDP 
・アンテベートはリンデロンDPと同等以上の血管収縮抑制。浮腫抑制作用。※5

リンデロンV≧アンテベート、アンテベート≧リンデロンV
・アンテベートはリンデロンVと同様またはやや弱い浮腫抑制作用。
・アンテベートはリンデロンVと同等以上の血管収縮抑制作用。※5

リンデロンDP>リンデロンV
・リンデロンDPはVより血管収縮抑制作用が強く、ヒトを対象とした市販品での試験でもリンデロンDPのほうが強かった。※6

マイザー≧リンデロンV
・マイザーはリンデロンVと同等以上の血管収縮、抗アレルギー作用、肉芽増殖抑制作用。※7

マイザー≒トプシム=≒デルモベート
マイザー≧トプシム
・マイザーはトプシム、デルモベートと同等の浮腫抑制作用。
・マイザーはトプシムと同等の抗アレルギー作用。
・マイザーはトプシムより強い肉芽腫制作用。※8

マイザー≒ネリゾナ
・マイザーはネリゾナと同等の浮腫抑制作用。※8

ネリゾナ>リンデロンV,フルコート
・ネリゾナはリンデロンVより強い浮腫抑制作用。
・ネリゾナはリンデロンV,フルコートより強い血管収縮抑制作用※9

パンデル≒デルモベート
・パンデルはデルモベートと同等の血管収縮抑制作用。※10

パンデル>リンデロンV
・パンデルはリンデロンVより強い浮腫抑制、肉芽腫抑制。※10

エクラー>リンデロンV
・エクラーはリンデロンVより強い血管収縮抑制作用。※11

メサデルム>リンデロンDP>ボアラ
・メサデルムはリンデロンDP,ボアラより強い浮腫抑制,、血管収縮抑制作用。※12

リンデロンV>フルコート
・リンデロンVはフルコートより強い血管収縮抑制作用。※13

ボアラ>リンデロンV
・ボアラはリンデロンより強い抗アレルギー作用、肉芽増殖抑制、関節炎抑制
・ボアラはリンデロンと同等以上の血管透過性抑制※21

ミディアム間

アルメタ>ロコイド≒キンダベート 
・(各種インタビューフォームより、以前の記事参照)

リドメックス>リンデロンV、ロコイド
・リドメックスはリンデロンV、ロコイドより強い浮腫抑制、抗アレルギー作用、肉芽腫抑制※14

レダコート>ロコイド
・レダコートはロコイドより強い血管収縮抑制作用※15

アルメタ>ロコイド
・アルメタはロコイドより強い血管収縮抑制作用※16

デキサメタゾン≒ロコイド
・デキサメタゾンはロコイドと同等の血管収縮抑制作用※17



まとめ

試験によって逆転している結果やランクを超えた逆転もありますが、上記インタビューフォームの情報及び5段階ランクは守って無理やりつなげると、

同ランク内の強さ
ストロンゲスト
ダイアコート/ジフラール≒(≧?)デルモベート

ベリーストロング
フルメタ≧アンテベート≧リンデロンDP
マイザー≒ネリゾナ≧トプシム
(パンデル不明)

ストロング
メサデルム>ボアラ>リンデロンV>フルコート
エクラー>リンデロン

ミディアム
リドメックス、アルメタ、レダコート>キンダベート≒ロコイド≒デキサメタゾン


※1 アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2018
※2 J Am Acad Dermatol. 2014 July ; 71(1): 116–132.
※3 日本皮膚科学会雑誌, 121: 2257–2264, 2011 
※4 フルメタインタビューフォーム
※5 アンテベートインタビューフォーム
※6 リンデロンDPインタビューフォーム
※7 マイザーインタビューフォーム
※8 トプシムインタビューフォーム
※9 ネリゾナインタビューフォーム
※10 パンデルインタビューフォーム
※11 エクラーインタビューフォーム
※12 メサデルムインタビューフォーム
※13 フルコートインタビューフォーム
※14 リドメックスインタビューフォーム
※15 レダコートインタビューフォーム
※16 アルメタインタビューフォーム
※17 オイラゾンインタビューフォーム
※18 ダイアコートインタビューフォーム
※19 ジフラールインタビューフォーム
※20 デルモベートインタビューフォーム
※21 ボアラインタビューフォーム
 2020年2月2日

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