オンライン服薬指導の要件

オンライン服薬指導の対象処方、対象患者、その他要件について

オンライン服薬指導 関連省令、通知


改定省令:医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則の一部を改正する省令の一部を改正する省令(令和2年3月27日厚生労働省令第47号)

通知:医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律の一部の施行について(オンライン服薬指導関係)

令和2年の調剤報酬改定でオンライン服薬指導の点数が新設され、薬機法の省令、通知で要件の詳細も出された。
※オンライン服薬指導は届出が必要様式91

以下に通知の重要部分を抜粋

かなり細かく決められているので要約

★オンライン服薬指導の条件★

・対面経験のある患者で、処方歴のある薬剤(先発⇔後発は問題なし)
・オンライン診療または在宅診療で発行された処方せんのみ対象
・画像および音声を相互に確認できる手段=テレビ電話
・あらかじめ計画書を作成(3年保存)
・オンライン服薬指導は薬局内で行う
・原則毎回同じ薬剤師が行う(日ごろから信頼関係が構築されている薬剤師)
・施設入居者には不可
・手順書を備える



オンライン服薬指導を行うための条件(通知より)


経緯

改正法第1条の規定による改正後の薬機法(以下「改正薬機法」という。)第9条の3第1項において、オンライン服薬指導(改正省令第1条の規定による改正後の医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則(昭和 36 年厚生省令第1号。以下「改正薬機則」という。)第15条の13第2項第2号に規定するオンライン服薬指導をいう。以下同じ。)について新たに規定され、その具体的な要件については改正省令により示したところで ある。

 本通知は、オンライン服薬指導の具体的な運用について、オンライン診療( オンライン診療指針に定めるオンライン診療をいう。以下同じ。)の運用と整合性を確保する観点から、その解釈を明確化するものである。また、今後のオンライン診療及びオンライン服薬指導の普及や技術革新等の状況を踏まえ、オンライン服薬指導の運用について定期的に見直すことを予定している。 なお、調剤時以外の電話やオンラインによる服薬状況の把握、相談又は指導は、今回、新たに規定するオンライン服薬指導とは異なり、現行法においても実施可能で、必要に応じて実施すべきものである。


通信手段、医師との連携、患者同意

第2 改正の内容
(1)オンライン服薬指導の実施(改正薬機法第9条の3第1項及び改正薬機則第15条の13第2項柱書関係) 服薬指導について、オンライン服薬指導として、映像及び音声の送受信により相手の状態を相互に認識しながら通話をすることが可能な方法であって、 (2)から(4)までに掲げる内容を満たすものについて実施することを可能とすること。

(2)基本的な考え方 3
 ① 薬剤師と患者との信頼関係
 オンライン服薬指導を行う薬剤師は、対象とする患者に対して日頃から継続して対面による服薬指導を行うなど、当該患者の服薬状況等を一元的 ・継続的に把握し、当該薬剤師と当該患者との信頼関係が築かれているべ きこと。 原則として、同一の薬剤師が対面による服薬指導を適切に組み合わせて行うこと。ただし、やむを得ない場合には、当該患者に対面による服薬指 導を行ったことのある当該薬局の薬剤師が当該薬剤師と連携して行うこと は妨げられないこと。

 ② 薬剤師と医師又は歯科医師との連携確保
 薬剤師は、処方箋を交付する医師又は歯科医師(以下「処方医等」という。)と(3)③のオンライン服薬指導に関する服薬指導計画を共有し、服薬状況のフィードバック等を行うなど、当該処方医等と適切に連携するこ と。

 ③ 患者の安全性確保のための体制確保
 患者の急変などの緊急時等においても患者の安全を確保するため、薬剤師・ 薬局は、処方医等との連絡体制など必要な体制を確保しなければならないこと。また、オンライン服薬指導を中止した場合に、速やかに適切な対面による服薬指導に切り替えられるよう、適切な体制整備が求められること。

 ④ 患者の希望に基づく実施と患者の理解
 薬剤師は、オンライン服薬指導の実施に際して、あらかじめ、その実施に関する患者側の希望を確認しなければならないこと。また、対面による服薬指導に比較して患者の心身等の状態に関する情報が限定されること等、オンライン服薬指導の利益・不利益について、十分に説明し、その理解を得なければならないこと。

対象となる処方内容、薬剤師の要件

(3)オンライン服薬指導の実施要件(改正薬機法第9条の3第1項及び改正薬機則第15条の13第2項第1号から第3号まで関係

 ① 対面指導との関係
 薬局開設者は、当該薬局の薬剤師に、同一内容又はこれに準じる内容の処方箋により調剤された薬剤について、あらかじめ、当該患者本人に対して対面による服薬指導を行ったことがある場合に、オンライン服薬指導を行わせること。準じる内容については、例えば、同一成分・同一効能の先発品と後発品の変更であること。

 ② 薬剤師・患者関係
 (2)①のとおり、日頃から継続して対面による服薬指導を行うなど、 オンライン服薬指導を行う薬剤師と当該患者との信頼関係が築かれているべきであること。 薬局開設者は、オンライン服薬指導の実施に際して、その都度、当該薬局の薬剤師に薬学的知見に基づき実施の可否を判断させ、適切でない場合にはオンライン服薬指導を行わせてはならないこと。

計画書の作成、記載事項

③ 服薬指導計画の策定
 薬局開設者が、当該薬局の薬剤師に、患者ごとにその同意を得て服薬指導計画を策定させ、当該服薬指導計画に基づきオンライン服薬指導を実施させること。服薬指導計画には、次の(ア)から(オ)までに掲げる事項を規定すること。
 (ア)オンライン服薬指導で取り扱う薬剤の種類及びその授受の方法に関する事項
 (イ)オンライン服薬指導及び対面による服薬指導の組合せに関する事項・・・患者ごとの状況に応じ、オンライン服薬指導と対面による服薬指導の組合せ(頻度やタイミング等)について具体的な計画を記載すること。訪問診療において交付された処方箋により調剤された薬剤についてオンライン服薬指導を行う場合においては、④(イ)(ⅲ)に留意しつつ、訪問診療との組合せについても規定すること。
 (ウ)オンライン服薬指導を行うことができない場合に関する事項・・・オンライン服薬指導を行わないと判断する条件と条件に該当した場合に対面による服薬指導に切り替える旨(情報通信環境の障害等によ りオンライン服薬指導を行うことが困難になる場合を含む。)を記載すること。
 (エ)緊急時の対応方針に関する事項 ・・・④(ア)又は(イ)の処方箋を交付する処方医等及び当該処方医等が勤務する病院又は診療所その他の関係医療機関との連絡体制並びに必要な場合の利用者搬送等の方法等を記載すること。
 (オ)その他オンライン服薬指導において必要な事項 ・・・(ア)から(エ)までの事項のほか、以下の事項についても規定すること。
 (ⅰ)オンライン服薬指導を受ける場所に関する事項
 (ⅱ)オンライン服薬指導の時間に関する事項(予約制等)
 (ⅲ)オンライン服薬指導の方法(使用する情報通信機器、家族等の支援 者・看護者の同席の有無等)
 (ⅳ)訪問診療において交付された処方箋により調剤された薬剤について オンライン服薬指導を行う場合においては、従来の在宅対応において策定していた計画の内容又は当該計画の添付
 (ⅴ)オンライン服薬指導においては、対面による服薬指導に比較して得られる情報が限られることを踏まえ、利用者がオンライン服薬指導に対し積極的に協力する必要がある旨
 (ⅵ)やむを得ず、当該薬局において複数の薬剤師がオンライン服薬指導を実施する余地がある場合は、その薬剤師の氏名及びどのような場合にどの薬剤師がオンライン服薬指導を行うかの明示
 (ⅶ)情報漏洩等のリスクを踏まえて、セキュリティリスクに関する責任の範囲及びそのとぎれがないこと等の明示

 なお、服薬指導計画の策定に当たっては、以下について留意すべきであること。
 ・ 薬剤師は、オンライン服薬指導実施についての患者側の希望を確認した上で、オンライン服薬指導の利益・不利益のほか、服薬指導計画の内 容について患者に説明すること。
 ・ 服薬指導計画は処方医等に共有するほか、その策定の際には、必要に 応じて、個人情報保護のための措置や患者の同意等を前提に服薬指導に 必要な情報の共有を求めるなど、処方医等と適切に連携すること。
 ・ 患者に重度の認知機能障害がある等により薬剤師と十分に意思疎通を図ることができない場合は、服薬指導計画の合意の際に、患者の家族等を患者の代理人とすることができること。
 ・ オンライン診療の実施状況や患者の状況を踏まえ、必要がある場合に は、適時適切に服薬指導計画の見直しを行うこと。見直す際には、策定時と同様に患者に説明し、同意を得るとともに、処方医等に共有するこ と。
 ・ 服薬指導計画は、当該計画に基づき行った直近の服薬指導の後、3年間保存すること。

対象となる処方条件(オンライン診療、在宅診療)

④ 対象となる薬剤
 オンライン服薬指導により薬剤の適正使用を確保するため、以下の (ア)及び(イ)の処方箋により調剤された薬剤をオンライン服薬指導の対象とすることができること。また、薬剤師は、③の服薬指導計画を処方医等に共有する際に、その後の処方箋に基づく薬剤をオンライン服薬指導の対象とすることができるかについての疑義が生じないよう、(ア)又は (イ)の処方箋である場合に処方箋の備考欄等に略称等を記載するなど、 適切な対応を処方医等との間で相互に調整すること(仮に処方箋の備考欄 等に記載する場合には、例えば、(ア)の場合には「オンライン診療」、 (イ)の場合には「訪問診療」などが考えられる)。
 
 (ア)処方医等がオンライン診療を行った際に交付した処方箋
 (イ)処方医等が訪問診療(薬剤を使用しようとする者の居宅等において、処方医等が当該薬剤師との継続的な連携の下に行うものに限る。) を行った際に交付した処方箋
 このとき行われる訪問診療は、処方医等が当該薬剤師との継続的な連携の下に行うものとして、以下のいずれにも該当するものであること。また、(ⅲ)、(ⅳ)及び(ⅴ)については、服薬指導計画に記載すること。
 (ⅰ)事前に、処方医等及び薬剤師が一定の期間にわたって計画的に、 訪問診療及び在宅における薬学的管理を連携して実施していること
 (ⅱ)事前に、薬剤師は処方医等の訪問指示に基づき、薬学的管理指導計画等の計画を策定し、一定期間、在宅における薬学的管理を実施 していること
 (ⅲ)処方医等が訪問診療及びオンライン診療を組み合わせて診療を行う患者の場合は、処方箋交付時に処方医等又は薬剤師のいずれかが患者宅を訪問して患者の状況を対面で確認する観点から、オンライ ン診療時に交付する処方箋により調剤された薬剤についてはオンライン服薬指導を行わないこと
 (ⅳ)処方医等及び薬剤師は、それぞれ定期的に患者宅を訪問し、患者の状況を確認すること
 (ⅴ)薬剤師は、薬学的知見に基づき、患者宅における服薬に関する情報等を処方医等に共有すること

 このほか、複数の患者が居住する介護施設等においては、オンライ ン服薬指導が適切でない患者等が存在する可能性があるため、当該護施設等の患者に対して訪問診療が行われた際の処方箋により調剤された薬剤については、オンライン服薬指導を行うべきではないこと。


その他

(4)オンライン服薬指導に関するその他の留意事項

 ① 本人の状況の確認
 オンライン服薬指導の実施においては、現にその看護に当たる者に指導 する場合においても、必ず患者本人の状態を確認すること。 原則として、薬剤師と患者双方が、身分確認書類(例えば、薬剤師はHPKIカードや薬剤師免許等、患者は保険証やマイナンバーカード等。) を用いて、薬剤師は薬剤師であること、患者は患者本人であることの確認を行うことただし、社会通念上、当然に薬剤師、患者本人であると認識できる状況である場合には、服薬指導の都度本人確認を行う必要はないこ と。

 ② 通信環境(情報セキュリティ・プライバシー・利用端末)
 オンライン服薬指導の実施における情報セキュリティ及びプライバシー保護等の観点から、オンライン診療指針に示された内容と同等の通信環境を確保すること。

 ③ 薬剤師に必要な知識及び技能の確保
 薬剤師が、オンライン服薬指導を適切に実施するために必要な知識及び技能を習得していること。

 ④ 薬剤の品質管理
 薬局開設者は、オンライン服薬指導後、当該薬局において当該薬局の薬剤師が調剤した薬剤を、品質を確保した状態で速やかに確実に患者に届けさせ ること。 調剤済みの薬剤の郵送又は配送を行う場合には、薬剤師による患者への直接の授与と同視しうる程度に、当該薬剤の品質の保持や、患者本人への 確実な授与等がなされることを確保するため、薬局開設者は、あらかじめ配送のための手順を定め、配送の際に必要な措置を講ずること。

 ⑤ 服薬指導を受ける場所
 患者がオンライン服薬指導を受ける場所は、適切な服薬指導を行うために 必要な患者の心身の状態を確認する観点から、対面による服薬指導が行われる場合と同程度に清潔かつ安全であり、かつ、プライバシーが保たれるよう物理的に外部から隔離される空間であること。

 ⑥ 服薬指導を行う場所
 薬剤師がオンライン服薬指導を行う場所は、その調剤を行った薬局内の場所とすること。この場合において、当該場所は、対面による服薬指導が行われる場合と同程度にプライバシーが保たれるよう物理的に外部から隔離される空間であること。

 ⑦ 処方箋
 (3)③の服薬指導計画の共有を受けた処方医等が(3)④の処方箋を発行した際に、患者から、服薬指導計画を策定した薬局に送付して欲しい旨の申出があった場合は、当該医療機関は、当該処方箋を当該薬局に直接送付することができること。

 ⑧ 業務手順の作成
 薬局開設者は、処方医等及び関係医療機関との連携を含め、オンライン服薬指導を実施するために必要な業務に関する手順を定めた手順書を作成し、当該手順書に従い業務を行わせること。

 (5)職場等における調剤の業務(薬剤師法施行規則第13条第3号関係
  薬剤師法施行規則(昭和36年厚生省令第5号)の改正により、薬剤師は、 医療を受ける者の居宅等のほか、医療法施行規則(昭和23年厚生省令第50条) 第1条第5号に規定する医療を受ける者が療養生活を営むことできる場所( ただし、医療法(昭和23年法律第205号)第1条の2第2項に規定する医療提 供施設を除く。)において、医師又は歯科医師が交付した処方箋により、薬剤師法施行規則第13条の2各号に規定する調剤の業務を行うことができるこ ととしたこと。

 2020/04/08

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