透析導入の基準値とラシックス投与

透析導入の基準 腎機能が残っていればラシックスは使える?

利尿剤は糸球体で濾過された水の再吸収を抑制することで尿量を増加させる。
※利尿剤まとめはこちら

一度糸球体で濾過されなければならないので、腎臓が機能していないと利尿剤を投与しても意味がない

では、透析を必要とするほど腎機能が障害されてしまっている透析患者さんに利尿剤は効果があるのでしょうか。


腎機能障害と透析

透析を行っている=腎臓は機能していないと思われがちだが、腎機能がまだ残っている場合が多い。

これは透析導入のタイミングによって異なる。

透析導入のタイミング

透析導入のタイミングは、合併症の有無・基礎疾患・年齢・生活環境など様々な要因を考慮しなければならず、腎機能(eGFR)のみで評価することが難しいため明確な数値の基準がない

厚労省が平成3年に提示した基準もあるが、腎機能をCcrで評価しており、高齢化が進んだ現在では、Ccrのベースが現在のほうが低値になる(高齢者=筋肉量↓=Ccr↓)と考えられ、優れた基準とは言えない。

早期導入と晩期導入の比較

以前は尿毒症や電解質異常による合併症が予後を悪化させるとして早期の導入を推奨していた。

しかし現在では、ある程度の腎機能が残存している状態での早期導入は予後を悪化させるとするコホート研究やランダム化比較試験の結果が多くみられ、早期導入は見直されている。

これらの臨床試験結果を踏まえ、日本透析医学会では導入によるメリットがリスクを上回る場合、eGFR<8.0での導入が示されている。

また、eGFR<2.0では導入するように推奨されている。

透析患者と利尿剤

上記のようにeGFR<8.0、患者さんの状態によってはもっと早期に透析導入となることがある。

この場合、eGFRが悪くても利尿作用を示すとされているラシックスが高用量で投与されることがある。

どのくらい尿がでなくなったらラシックスを中止するかはDrによって判断が異なるようだが、私の知る病院では300mlを切ってくると中止になる人が多い。

添付文書上では無尿(100ml以下)では禁忌となっている。



まとめ

透析導入:eGFR<8で考慮(<2未満で強く推奨)

透析患者のラシックス投与:尿量<300mlで中止(添付文書は<100mlで禁忌)

 2017/03/28

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