カナグル、ジャディアンスの心血管イベント抑制作用


カナグルの心血管イベント抑制作用(CANVAS) ~ジャディアンス(EMPA-REG OUTCOME)との比較~


CANVAS,CAMVAS-R試験(Canagliflozin Cardiovascular Assessment Study)とは、カナグル(カナグリフロジン)の心血管安全性の評価を目的にアメリカで行われた大規模ランダム化比較試験です。

今回この2試験を解析したCANVASプログラムにおいて、カナグルの心血管イベント抑制作用と足切断リスクの増加が明らかとなった。

心血管イベント抑制作用

SGLT2阻害の中では先にジャディアンス(エンパグリフロジン)の心血管イベント抑制作用が確認されていた(EMPA-REG OUTCOME)が、CANVAS試験によりカナグルにも抑制効果が証明された。

これによりSGLT2全般に心血管イベント抑制作用があると考えられており、現在フォシーガについても試験が行われている(DECLARE-TIMI)。


ジャディアンス:EMPA-REG OUTCOME
カナグル:CANVASプログラム

ジャディアンス

対象:心血管イベントリスクの高い2型糖尿病患者7020人
期間:中央値3.1年
主要評価項目心血管死、非致死的心筋梗塞、非致死的脳卒中
結果:心筋梗塞、脳卒中においてはプラセボと有意差なし。心血管死は38%リスク減少(3.7% vs 5.9%)、総死亡リスク32%減少

カナグル

対象:心血管イベントリスクの高い2型糖尿病患者1万142人
期間:中央値3.6年
主要評価項目心血管死、非致死的心筋梗塞、非致死的脳卒中
結果:心血管死、心筋梗塞、脳卒中においてはプラセボと有意差なし。ただし3つを合わせた複合CVイベントは14%低下

副作用

心血管イベントに関しては良好な結果を得たが、ジャディアンス、カナグルともに懸念すべき副作用増加がみられてしまった。

ジャディアンス

脳卒中のリスク増加がみられたが、東アジア人を対象とした解析ではリスク増加がみられなかったとのこと。

足切断リスクの増加は見られなかった。

カナグル

1万427人のうち187人に足切断がみられが、カナグル群のリスクはプラセボ群に比べ1.97だった。

原因は判明しておらず、感染症、潰瘍等がある患者は注意すべきとの見解がある。

脳卒中のリスク増加は見られなかった。

※2018.11下肢切断リスクについては大規模なリアルワールドデータでも認められたこちら参照


心不全ガイドラインの記載

急性・慢性心不全ガイドライン2017の改定において、カナグル、ジャディアンスは心不全予防において、推奨レベルⅠ、エビデンスAとなっている。









 2017年6月20日

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