刺激性下剤が効くまでにかかる時間は? 効果発現時間一覧と使い分け
作用発現までの時間
以下は各インタビューフォームに記載されているデータです。
テレミンソフト坐剤(ビサコジル)
直腸挿入後15~60分以内。ラキソベロン内用液(ピコスルファート)
89%が内服1日目に排便あり。52%が7~12時間後までに排便あり。(ヒト)
※GEのチャルドール内用液のインタビューフォームでは
内服後8~13時間で50%以上が排便あり(ヒト)
最短:4時間
最長:14時間以上
ラキソベロン錠(ピコスルファート)
9~12時間で大部分の人が排便あり。(ヒト)
プルゼニド錠(センノシド)
8~10時間で見られる。(ヒト)
アローゼン顆粒(センナ・センナジツ)
8~10時間で見られる。(ヒト)
レシカルボン坐剤(炭酸水素ナトリウム)
平均18分で排便がみられた。(イヌ)
刺激系ではないがアミティーザは24時間以内に58~75%に排便あり。
リンゼスは24時間以内に72%に排便あり。
付録
刺激系下剤の使い分け
大腸は結腸→直腸となっているが、センノサイド、ピコスルファートなどの刺激系下剤は直腸まで便が来ていないときに有効。
便が直腸付近まで来ているが排便がない場合(直腸性便秘)にはテレミンソフトやレシカルボンが有効。
ただし、直腸付近で硬便となり詰まっている場合は摘便等で一度出さないよ効果がない場合あり。
ただし、直腸付近で硬便となり詰まっている場合は摘便等で一度出さないよ効果がない場合あり。
(レシカルボンは直腸刺激による蠕動運動促進作用もあり)
直腸に長くとどまり、硬便(便塞栓)となってしまっている場合には浣腸(又は摘便等)が有効。
→便塞栓(fecal impaction)がある場合はこの解除(disimpaction)が優先
小児の機能性便秘ガイドラインでは以下の薬剤が記載されており、どれも有効で、優劣をつけるだけのエビデンスはないとされている。
普段の処方イメージだと、
ベースで塩類下剤、浸透圧性下剤、アミティーザ、リンゼス、グーフィスト等の水分分泌亢進系。
2,3日排便がない場合にセンノサイドorピコスルファート
それでも出ない場合or摘便にて便が直腸までは下りてきている場合にテレミンソフト、レシカルボン
レシカルボン等でも排便なく、5日くらい経過している場合や便が直腸にあるが硬便となっていて出ない場合は浣腸
といった感じ。
刺激系下剤はよく耐性が・・・といった話があるが、耐性についてはあまり起こらないとされている。(もちろん0ではありませんが)
刺激系下剤の耐性についてはこちら:刺激系下剤の耐性について