服薬情報等提供料1,2,3
令和4年度調剤報酬 提供料3新設 (入院前の情報提供)
概要
告示:調剤報酬点数表 別表第三
15の5 服薬情報等提供料
1 服薬情報等提供料1 30点
2 服薬情報等提供料2 20点
3 服薬情報等提供料3 50点
注1 1については、保険医療機関の求めがあった場合において、患者の同意を得た
上で、薬剤の使用が適切に行われるよう、調剤後も当該患者の服用薬の情報等に
ついて把握し、保険医療機関に必要な情報を文書により提供等した場合に月1回
に限り算定する。これらの内容等については薬剤服用歴に記録すること。
2 2については、患者若しくはその家族等の求めがあった場合又は保険薬剤師が
その必要性を認めた場合において、当該患者の同意を得た上で、薬剤の使用が適
切に行われるよう、調剤後も患者の服用薬の情報等について把握し、患者若しく
はその家族等又は保険医療機関へ必要な情報提供、指導等を行った場合に算定す
る。なお、保険医療機関への情報提供については、服薬状況等を示す情報を文書
により提供した場合に月1回に限り算定する。これらの内容等については薬剤服
用歴に記録すること。
3 3については、入院前の患者に係る保険医療機関の求めがあった場合において
、当該患者の同意を得た上で、当該患者の服用薬の情報等について一元的に把握
し、必要に応じて当該患者が保険薬局に持参した服用薬の整理を行うとともに、
保険医療機関に必要な情報を文書により提供等した場合に3月に1回に限り算定
する。これらの内容等については薬剤服用歴に記録すること。
4 区分番号13の2に掲げるかかりつけ薬剤師指導料、区分番号13の3に掲げ
るかかりつけ薬剤師包括管理料又は区分番号15に掲げる在宅患者訪問薬剤管理
指導料を算定している患者については、算定しない。
5 区分番号00に掲げる調剤基本料の注2(特別調剤基本料)に規定する別に厚生労働大臣が定める保険薬局において、別に厚生労働大臣が定める保険医療機関(次項(11)参照)への情報提供を行った場合は、算定できない
→「1」及び「2」で医療機関の求め、医療機関への情報提供の場合月1回の制限
→「2」で患者、家族への情報提供の場合は月1回の縛りはなし。(疑義解釈あり)
詳細
通知:調剤報酬点数表に関する事項
区分15の5 服薬情報等提供料
(1) 服薬情報等提供料は、保険薬局において調剤後も患者の服用薬や服薬状況に関する情報
等を把握し、患者若しくはその家族等又は保険医療機関に当該情報を提供することにより、
医師の処方設計及び患者の服薬の継続又は中断の判断の参考とする等、保険医療機関と保
険薬局の連携の下で医薬品の適正使用を推進することを目的とするものである。
(2) 服薬情報等提供料1は、保険医療機関から(5)のア又はイに掲げる情報提供の求めが
あった場合にその理由とともに、患者の同意を得て、現に患者が受診している保険医療機
関に対して、当該患者の服薬状況等について文書等により提供した場合に算定できる。こ
れには、次に掲げる場合が含まれる。
ア 処方箋を発行した保険医療機関が患者の服用薬の残薬の報告を求めており、保険薬局
において患者の服用薬の残薬を確認し、当該保険医療機関に対して情報提供を行った場
合
イ 調剤基本料の「注 11」に掲げる医師の指示による分割調剤において、2回目以降の
調剤時に患者の服薬状況、服薬期間中の体調の変化等について確認し、処方医に対して
情報提供を行った場合。この場合において、次に掲げる事項を含めるものとする。
・残薬の有無
・残薬が生じている場合はその量及び理由
・副作用の有無
・副作用が生じている場合はその原因の可能性がある薬剤の推定
ウ 保険医療機関からの求めに応じ、入院前の患者の服用薬について確認し、依頼元の医
療機関に情報提供した場合
(3) 服薬情報等提供料2は、以下の場合に算定できる。
ア 患者又はその家族等の求めがあった場合、患者の同意を得て、次に掲げる情報等の内
容について、患者又はその家族等に対して速やかに提供等し、当該情報に関する患者の
状態等の確認及び必要な指導を次回以降の来局時に行った場合。
(イ) 緊急安全性情報、安全性速報や医薬品・医療機器等安全性情報など、処方箋受付
時に提供した薬剤情報以外の情報で患者の服薬期間中に新たに知り得た情報
(ロ) 患者の服薬期間中に服薬状況の確認及び必要な指導
イ 保険薬局の薬剤師が薬剤服用歴等に基づき患者の服薬に関する(5)のアからウまで
に掲げる情報提供の必要性を認めた場合にその理由とともに、患者の同意を得て、現に
患者が受診している保険医療機関に対して、当該患者の服薬状況等について文書等によ
り提供した場合。これには、保険薬局において患者の服用薬の残薬を確認し、処方箋を
発行した保険医療機関に対して情報提供を行った場合が含まれる。
(4) 服薬情報等提供料3は、以下の場合に算定できる。
ア 入院を予定している患者について、保険医療機関の求めがあった場合において、患者
が服用中の薬剤について、当該患者若しくはその家族等への聞き取り又は他の保険薬局
若しくは保険医療機関への聞き取り等により、一元的に把握し、必要に応じて当該患者
が保険薬局に持参した服用薬の整理を行うとともに、患者が入院を予定している保険医
療機関に対して、当該患者の服薬状況等について文書等により提供した場合に算定でき
る。
イ 保険医療機関の求めについては、患者が入院を予定している保険医療機関からの求め
のほか、患者が受診している他の保険医療機関からの求めを含む。
ウ 患者の服用薬等については、当該保険薬局で調剤した薬剤、他の保険薬局で調剤され
た薬剤、保険医療機関で院内投薬された薬剤等を一元的に把握すること。
エ 算定に当たっては、別紙様式1-2又はこれに準ずるものを用いて、以下の内容につ
いて保険医療機関への情報提供を行うこと。
・受診中の保険医療機関、診療科等に関する情報
・服用中の薬剤の一覧
・患者の服薬状況
・併用薬剤等の情報
(5) 保険医療機関に対する情報提供の内容は次のとおりとする。
ア 当該患者の服用薬及び服薬状況
イ 当該患者に対する服薬指導の要点、患者の状態等
ウ 当該患者が容易に又は継続的に服用できるための技術工夫等の調剤情報
(6) 服薬期間中の体調の変化等の患者の訴えや自覚症状がある場合には、患者の自覚症状が
薬剤の副作用によるものか否かに関する分析結果も含めて情報提供することとし、また、
患者に対する服薬指導は、当該分析結果を踏まえたものとする。なお、患者の自覚症状の
分析に当たっては、「重篤副作用疾患別対応マニュアル」(厚生労働省)等を参考とする
ことが望ましい。
(7) (5)のウについては、処方箋の記入上の疑義照会等では算定できない。
(8) 保険医療機関への情報提供については、患者1人につき同一月に2回以上服薬情報等の
提供を行った場合においても、月1回のみの算定とする。ただし、複数の保険医療機関又
は診療科に対して服薬情報等の提供を行った場合は、当該保険医療機関又は診療科ごとに
月1回に限り算定できる。
(9) 保険医療機関への情報提供に当たっては、別紙様式1-1、別紙様式1-2又はこれに
準ずる様式の文書等に必要事項を記載し、患者が現に診療を受けている保険医療機関に交
付し、当該文書等の写しを薬剤服用歴等に添付する等の方法により保存しておく。
(10) (3)のアについて、患者の服薬期間中に情報提供した事項、服薬期間中及び処方箋受付
時に確認した患者の服薬状況等及び指導等については、情報提供の都度、薬剤服用歴等の
記録に記載する。
(11) 服薬情報等提供料は、特別調剤基本料を算定している保険薬局において、当該保険薬局
と不動産取引等その他特別な関係を有している保険医療機関へ情報提供を行った場合は算
定できない。また、かかりつけ薬剤師指導料、かかりつけ薬剤師包括管理料若しくは在宅
患者訪問薬剤管理指導料を算定している患者に係る情報提供を行った場合は算定できない。
告示:特掲診療料の施設基準等の一部を改正する件
十二の二 服薬情報等提供料の注5に規定する厚生労働大臣が定める保険医療機関
当該保険薬局が二の二の(1) に該当する場合に係る保険医療機関であること。
※二の二の(1)
保険医療機関と不動産取引等その他の特別な関係を有している保険薬局(当該保険薬局の所
在する建物内に保険医療機関(診療所に限る。)が所在している場合を除く。)であって、当該保険医療機関に係る処方箋による調剤の割合が七割を超えること
疑義解釈
(問4) かかりつけ薬剤師指導料や在宅患者訪問薬剤管理指導料等を算定していない患者について、当該患者の介護にかかわっている介護支援専門員等からの求めに応じ、服薬状況の確認及び必要な指導の内容について提供した場合に、 服薬情報等提供料2を算定して差し支えないか。(答)患者の同意を得るなどの要件を満たせば、算定して差し支えない。
(問51)服薬情報等提供料について、患者、その家族等へ必要な情報提供、指導等を行った場合は月1回の算定制限がないと考えてよいか。
(答)貴見のとおり。
(問52)服薬情報等提供料について、かかりつけ薬剤師指導料、かかりつけ薬剤師包括管理料又は在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定している場合には算定できないこととされているが、同一月内でこれらの指導料等を算定していれば、服薬情報等提供料は算定できないのか。
(答)かかりつけ薬剤師指導料等を算定している月であれば、服薬情報等提供料に相当する業務も当該指導料等の中で行うことになるので、服薬情報等提供料は算定できない
レセプト請求
調剤報酬請求書及び調剤報酬明細書に関する事項
キ 調剤を行っていない月に服薬情報等提供料、在宅患者訪問薬剤管理指導料、在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料又は在宅患者緊急時等共同指導料を算定した場合は、情報提供又は訪問の対象となる調剤の年月日及び投薬日数を記載すること。
→摘要欄に記載
キ 調剤を行っていない月に服薬情報等提供料、在宅患者訪問薬剤管理指導料、在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料又は在宅患者緊急時等共同指導料を算定した場合は、情報提供又は訪問の対象となる調剤の年月日及び投薬日数を記載すること。
→摘要欄に記載
疑義解釈
【服薬情報等提供料】
問 42 服薬情報等提供料1を算定する患者について、同一月内に服薬情報等
提供料3は算定可能か。
(答)異なる内容について情報提供を行う場合は、算定可。
問 43 服薬情報等提供料は、特別調剤基本料を算定している保険薬局におい
て、当該保険薬局と不動産取引等その他の特別な関係を有している保険医
療機関への情報提供を行った場合は算定できないこととされているが、当
該保険医療機関が不明である場合は算定できるのか。
(答)不可。