服薬管理指導料
R4年度調剤報酬改定
薬剤服用歴管理指導料から名称変更、点数変更、文言微妙に変更
※オンライン服薬指導の要件が緩和
詳細はこちら:オンライン服薬指導
告示:特掲診療科の施設基準等の一部を改正する件
概要
1 原則3月以内に再度処方箋を持参した患者に対して行った場合 45点
2 1の患者以外の患者に対して行った場合 59点
3 特別養護老人ホ-ムに入所している患者に訪問して行った場合 45点
4 情報通信機器を用いた服薬指導を行った場合
イ 原則3月以内に再度処方箋を提出した患者に対して行った場合 45点
ロ イの患者以外の患者に対して行った場合 59点
注1:手帳持参有無による点数の違い
注2:特養に関する点数
注3:オンライン服薬指導
注4:麻薬管理指導加算:100点
注5:特定薬剤管理指導料1:10点
注6:特定薬剤管理指導料2:100点
注7:乳幼児服薬指導加算:12点
注2:特養に関する点数
注3:オンライン服薬指導
注4:麻薬管理指導加算:100点
注5:特定薬剤管理指導料1:10点
注6:特定薬剤管理指導料2:100点
注7:乳幼児服薬指導加算:12点
注8:小児特定加算350:点
注9:吸入薬指導加算:30点
注10:調剤後服薬指導加算:30点
注11:在宅算定患者への併算定について
注12:交通費等に関して
注9:吸入薬指導加算:30点
注10:調剤後服薬指導加算:30点
注11:在宅算定患者への併算定について
注12:交通費等に関して
注13:手帳活用50%以下
注14:かかりつけ薬剤師指導料の特例(他の薬剤師対応時)
※「原則3月以内」となっており、「原則」ではない「例外」として、処方日数が3月を超える場合は、来局間隔が3月を超えていても3月内のほうを算定。(疑義解釈:H28.3.31 P119 このときはまだ6月以内の時の疑義ですが、同様と考えていいかと。)
注14のかかりつけ特例時は通常のかかりつけ薬剤師指導料では併算定できない吸入指導加算、調剤後服薬指導加算、服薬情報等提供料1,2,3が算定可能。
詳細
告示:調剤報酬点数表 別表第三
注1 1及び2については、患者に対して、次に掲げる指導等の全てを行った場合に
、処方箋受付1回につき所定点数を算定する。ただし、1の患者であって手帳を
提示しないものに対して、次に掲げる指導等の全てを行った場合は、2により算
定する。
イ 患者ごとに作成された薬剤服用歴に基づき、投薬に係る薬剤の名称、用法、
用量、効能、効果、副作用及び相互作用に関する主な情報を文書又はこれに準
ずるもの(以下この表において「薬剤情報提供文書」という。)により患者に
提供し、薬剤の服用に関して基本的な説明を行うこと。
ロ 服薬状況等の情報を踏まえた薬学的知見に基づき、処方された薬剤について
、薬剤の服用等に関して必要な指導を行うこと。
ハ 手帳を用いる場合は、調剤日、投薬に係る薬剤の名称、用法、用量その他服
用に際して注意すべき事項を手帳に記載すること。
ニ これまでに投薬された薬剤のうち服薬していないものの有無の確認に基づき
、必要な指導を行うこと。
ホ 薬剤情報提供文書により、投薬に係る薬剤に対する後発医薬品に関する情報
(後発医薬品の有無及び価格に関する情報を含む。)を患者に提供すること。
ヘ 処方された薬剤について、保険薬剤師が必要と認める場合は、患者の薬剤の
使用の状況等を継続的かつ的確に把握するとともに、必要な指導等を実施する
こと。
2 3については、保険薬剤師が老人福祉法第20条の5に規定する特別養護老人ホ
-ムを訪問し、服薬状況等を把握した上で、必要に応じて当該施設職員と協力し
、次に掲げる指導等の全てを行った場合に、処方箋受付1回につき所定点数を算
定する。
イ 患者ごとに作成された薬剤服用歴に基づき、薬剤情報提供文書により患者又
は現に薬剤を管理している者(以下この区分番号において「患者等」という。
)に提供し、薬剤の服用に関して基本的な説明を行うこと。
ロ 服薬状況等の情報を踏まえた薬学的知見に基づき、処方された薬剤について
、薬剤の服用等に関して必要な指導を行うこと。
ハ 手帳を用いる場合は、調剤日、投薬に係る薬剤の名称、用法、用量その他服
用に際して注意すべき事項を手帳に記載すること。
ニ これまでに投薬された薬剤のうち服薬していないものの有無の確認に基づき
、必要な指導を行うこと。
ホ 必要に応じて薬剤情報提供文書により、投薬に係る薬剤に対する後発医薬品
に関する情報(後発医薬品の有無及び価格に関する情報を含む。)を患者に提
供すること。
ヘ 処方された薬剤について、保険薬剤師が必要と認める場合は、患者の薬剤の
使用の状況等を継続的かつ的確に把握するとともに、必要な指導等を実施する
こと。
3 4については、情報通信機器を用いた服薬指導を行った場合に、処方箋受付1
回につき所定点数を算定する。ただし、4のイの患者であって手帳を提示しない
ものに対して、情報通信機器を用いた服薬指導を行った場合は、4のロにより算
定する。
4 麻薬を調剤した場合であって、麻薬の服用に関し、その服用及び保管の状況、
副作用の有無等について患者に確認し、必要な薬学的管理及び指導を行ったとき
は、22点を所定点数に加算する。
5 特に安全管理が必要な医薬品として別に厚生労働大臣が定めるものを調剤した
場合であって、当該医薬品の服用に関し、その服用状況、副作用の有無等につい
て患者に確認し、必要な薬学的管理及び指導を行ったときには、特定薬剤管理指
導加算1として、10点を所定点数に加算する。
6 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等
に届け出た保険薬局において、別に厚生労働大臣が定める患者に対して、当該患
者の副作用の発現状況、治療計画等を文書により確認し、必要な薬学的管理及び
指導を行った上で、当該患者の同意を得て、悪性腫瘍の治療に係る薬剤の投薬又
は注射に関し、電話等により、その服用状況、副作用の有無等について患者に確
認し、保険医療機関に必要な情報を文書により提供した場合には、特定薬剤管理
指導加算2として、月1回に限り100点を所定点数に加算する。この場合におい
て、区分番号15の5に掲げる服薬情報等提供料は算定できない。
7 6歳未満の乳幼児に係る調剤に際して必要な情報等を直接患者又はその家族等
に確認した上で、当該患者又はその家族等に対し、服用に関して必要な指導を行
い、かつ、当該指導の内容等を手帳に記載した場合には、乳幼児服薬指導加算と
して、12点を所定点数に加算する。
8 児童福祉法第56条の6第2項に規定する障害児である患者に係る調剤に際して
必要な情報等を直接当該患者又はその家族等に確認した上で、当該患者又はその
家族等に対し、服用に関して必要な指導を行い、かつ、当該指導の内容等を手帳
に記載した場合には、小児特定加算として、350点を所定点数に加算する。この
場合において、注7に規定する加算は算定できない。
9 喘ぜん息又は慢性閉塞性肺疾患の患者であって、吸入薬の投薬が行われているもの
に対して、当該患者若しくはその家族等又は保険医療機関の求めに応じて、当該
患者の同意を得た上で、文書及び練習用吸入器等を用いて、必要な薬学的管理及
び指導を行うとともに、保険医療機関に必要な情報を文書により提供した場合に
は、吸入薬指導加算として、3月に1回に限り30点を所定点数に加算する。この
場合において、区分番号15の5に掲げる服薬情報等提供料は算定できない。
10 区分番号00に掲げる調剤基本料の注5に規定する施設基準に適合しているも
のとして地方厚生局長等に届け出た保険薬局において、糖尿病患者であって、別
に厚生労働大臣が定めるものに対して、患者若しくはその家族等又は保険医療機
関の求めに応じて、当該患者の同意を得て、調剤後も当該薬剤の服用に関し、電
話等によりその服用状況、副作用の有無等について当該患者に確認し、必要な薬
学的管理及び指導(当該調剤と同日に行う場合を除く。)を行うとともに、保険
医療機関に必要な情報を文書により提供した場合には、調剤後薬剤管理指導加算
として、月1回に限り60点を所定点数に加算する。この場合において、区分番号
15の5に掲げる服薬情報等提供料は算定できない。
11 区分番号15に掲げる在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定している患者につい
ては、当該患者の薬学的管理指導計画に係る疾病と別の疾病又は負傷に係る臨時
の投薬が行われた場合を除き、算定しない。
12 服薬管理指導料の3に係る業務に要した交通費は、患家の負担とする。
13 別に厚生労働大臣が定める保険薬局(手帳活用50%以下)において、注1、注2又は注3に掲げる指導等の全てを行った場合には、注1から注3までの規定にかかわらず、服薬管理指導料の特例として、処方箋受付1回につき、13点を算定する。この場合におい
て、注4から注10までに規定する加算は算定できない。
14 当該保険薬局における直近の調剤において、区分番号13の2に掲げるかかり
つけ薬剤師指導料又は区分番号13の3に掲げるかかりつけ薬剤師包括管理料を
算定した患者に対して、やむを得ない事情により、当該患者の同意を得て、当該
指導料又は管理料の算定に係る保険薬剤師と、当該保険薬剤師の所属する保険薬
局の他の保険薬剤師であって別に厚生労働大臣が定めるものが連携して、注1に
掲げる指導等の全てを行った場合には、注1の規定にかかわらず、服薬管理指導
料の特例として、処方箋受付1回につき、59点を算定する。
告示:調剤報酬点数表に関する事項
区分10の3 服薬管理指導料
1 通則
(1) 服薬管理指導料は、同一患者の1回目の処方箋受付時から算定できる。
(2) 服薬管理指導料は、在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定している患者の場合、当該
患者の薬学的管理指導計画に係る疾病と別の疾病又は負傷に係る臨時の処方箋によって
調剤を行った場合に限り算定できる。
2 服薬管理指導料「1」及び「2」
(1) 服薬管理指導料「1」及び「2」は、保険薬剤師が、患者の薬剤服用歴等及び服用
中の医薬品等について確認した上で、(2)の「薬剤の服用に関する基本的な説明」及び
(3)の「患者への薬剤の服用等に関する必要な指導」の全てを対面により行った場合に、
以下の区分により算定する。
ア 服薬管理指導料「1」
3月以内に再度処方箋を持参した患者であって、手帳を提示したもの
イ 服薬管理指導料「2」
以下のいずれかに該当する患者
(イ) 初めて処方箋を持参した患者
(ロ) 3月を超えて再度処方箋を持参した患者
(ハ) 3月以内に再度処方箋を持参した患者であって、手帳を提示しないもの
(2) 薬剤の服用に関する基本的な説明
患者ごとに作成した薬剤服用歴等に基づいて、処方された薬剤の重複投薬、相互作用、
薬物アレルギー等を確認した上で、次に掲げる事項その他の事項を文書又はこれに準ずる
もの(以下「薬剤情報提供文書」という。)により情報提供し、薬剤の服用に関し、基本
的な説明を患者又はその家族等に行うこと。また、必要に応じて、製造販売業者が作成す
る医薬品リスク管理計画(RMP:Risk Management Plan)に基づく患者向け資材を活用
すること。
(イ) 当該薬剤の名称(一般名処方による処方箋又は後発医薬品への変更が可能な処方
箋の場合においては、現に調剤した薬剤の名称)、形状(色、剤形等)
(ロ) 用法、用量、効能、効果
(ハ) 副作用及び相互作用
(ニ) 服用及び保管取扱い上の注意事項
(ホ) 調剤した薬剤に対する後発医薬品に関する情報
(へ) 保険薬局の名称、情報提供を行った保険薬剤師の氏名
(ト) 保険薬局又は保険薬剤師の連絡先等
(3) 患者への薬剤の服用等に関する必要な指導
ア 患者又はその家族等と対話することにより、当該患者の服薬状況、服薬期間中の体調
の変化、残薬の状況等の情報を収集し、投与される薬剤の適正使用のために必要な服薬
指導を行うこと。患者に対して実施した指導等の要点について薬剤服用歴等に記載する
こと。
イ 以下の事項については、処方箋の受付後、薬を取りそろえる前に、保険薬剤師が患者
等に確認すること。
(イ) 患者の体質(アレルギー歴、副作用歴等を含む)、薬学的管理に必要な患者の生
活像及び後発医薬品の使用に関する患者の意向
(ロ) 疾患に関する情報(既往歴、合併症及び他科受診において加療中の疾患に関する
ものを含む。)
(ハ) 併用薬(要指導医薬品、一般用医薬品、医薬部外品及び健康食品を含む。)等の
状況及び服用薬と相互作用が認められる飲食物の摂取状況
(ニ) 服薬状況(残薬の状況を含む。)
(ホ) 患者の服薬中の体調の変化(副作用が疑われる症状など)及び患者又はその家族
等からの相談事項の要点
ウ 手帳を用いる場合は、調剤を行った薬剤について、調剤日、当該薬剤の名称(一般名
処方による処方箋又は後発医薬品への変更が可能な処方箋の場合においては、現に調剤
した薬剤の名称)、用法、用量その他必要に応じて服用に際して注意すべき事項等を患
者の手帳に経時的に記載すること。
エ 残薬の状況について、薬剤服用歴等を踏まえつつ、患者又はその家族等に残薬の有無
を確認し、残薬が確認された場合はその理由も把握すること。患者に残薬が一定程度認
められると判断される場合には、患者の残薬の状況及びその理由を患者の手帳に簡潔に
記載し、処方医に対して情報提供するよう努めること。また、残薬が相当程度認められ
ると判断される場合には、処方医に対して連絡し、投与日数等の確認を行うよう努める
こと。
オ 当該保険薬局と他の保険薬局又は保険医療機関等の間で円滑に連携が行えるよう、患
者が日常的に利用する保険薬局があれば、その名称及び保険薬局又は保険薬剤師の連絡
先等を手帳に記載するよう患者に促すこと。
カ 一般名処方が行われた医薬品については、原則として後発医薬品を調剤することとす
るが、患者に対し後発医薬品の有効性、安全性や品質について適切に説明した上で、後
発医薬品を調剤しなかった場合は、その理由を調剤報酬明細書の摘要欄に記載する。
(4) 継続的服薬指導
保険薬剤師が、薬剤交付後においても、当該患者の服薬状況、服薬期間中の体調の変化
等について、継続的な確認のため、必要に応じて指導等を実施すること。
ア 保険薬剤師が、患者の服用している薬剤の特性や患者の服薬状況等に応じてその必要
性を個別に判断した上で適切な方法で実施すること。
イ 保険薬剤師が必要と認める場合は、薬剤交付後においても電話等により、(3)のイに
掲げる内容について、保険薬剤師が患者等に確認し、その内容を踏まえ、必要な指導等
を実施すること。
ウ 患者に対して実施した指導等を行った場合は、その要点について薬剤服用歴等に記載
すること。
エ 電話や情報通信機器を用いた方法により実施して差し支えないが、患者等に電子メー
ルを一律に一斉送信すること等をもって対応することは、継続的服薬指導を実施したこ
とにはならず、個々の患者の状況等に応じて対応する必要があること。
オ 継続的服薬指導に当たっては、「薬剤使用期間中の患者フォローアップの手引き」
(日本薬剤師会)等を参考とすること。
(5) 指導等に係る留意点
(2)から(4)までの業務を行うに当たっては、以下の点に留意すること。
ア 情報提供等
(イ) 2の(2)の薬剤情報提供文書により行う薬剤に関する情報提供は、調剤を行
った全ての薬剤の情報が一覧できるようなものとする。ただし、調剤した薬剤を
複数の薬袋に入れ交付する場合は、薬袋ごとに一覧できる文書とすることができ
る。なお、薬剤情報提供文書については、処方内容が前回と同様の場合等におい
ては、必ずしも指導の都度、患者に交付する必要はないが、患者の意向等を踏ま
えた上で交付の必要性を判断し、交付しない患者にあってはその理由を薬剤服用
歴等に記載する。
(ロ) 薬剤情報提供文書における「これに準ずるもの」とは、ボイスレコーダー等へ
の録音、視覚障害者に対する点字その他のものをいう。
(ハ) 効能、効果、副作用及び相互作用に関する記載は、患者等が理解しやすい表現
によるものとする。また、提供する情報の内容については正確を期すこととし、
文書において薬剤の効能・効果等について誤解を招く表現を用いることや、調剤
した薬剤と無関係の事項を記載しないこと。
(ニ) 情報提供に当たって、抗悪性腫瘍剤や複数の異なる薬効を有する薬剤等であっ
て特に配慮が必要と考えられるものについては、情報提供の前に処方箋発行医に
確認する等慎重に対応すること。
(ホ) (2)の(ホ)の「後発医薬品に関する情報」とは、次に掲げる事項とし、薬剤情
報提供文書により提供するとともに、必要な説明を行うこと。また、後発医薬品
の情報に関しては、可能であれば一般的名称も併せて記載することが望ましい。
なお、ここでいう後発医薬品とは、「「診療報酬における加算等の算定対象とな
る後発医薬品」等について」の別紙1に掲げられたものに加え、別紙2に掲げら
れたものも含むものであること。
① 該当する後発医薬品の薬価基準への収載の有無
② 該当する後発医薬品のうち、自局において支給可能又は備蓄している後発医
薬品の名称及びその価格(当該薬局において備蓄しておらず、かつ、支給もで
きない場合はその旨)
(へ) 指導の内容等について、処方医へ情報提供した場合は、その要点について記録
すること。
イ 服薬指導
(イ) 服薬指導は、処方箋の受付の都度、患者の服薬状況、服薬期間中の体調の変化
(特に重大な副作用が発現するおそれがある医薬品については、当該副作用に係
る自覚症状の有無及び当該症状の状況)を確認し、新たに収集した患者の情報を
踏まえた上で行うものであり、その都度過去の薬剤服用歴等を参照した上で、必
要に応じて確認・指導内容を見直す。また、確認した内容及び行った指導の要点
を、薬剤服用歴等に記載する。なお、副作用に係る自覚症状の有無の確認に当た
っては、「重篤副作用疾患別対応マニュアル」(厚生労働省)等を参考とする。
(ロ) 服薬指導に当たっては、抗微生物薬の適正使用の観点から、「抗微生物薬適正
使用の手引き」(厚生労働省)を参考とすること。また、服薬指導を円滑に実施
するため、抗菌薬の適正使用が重要であることの普及啓発に資する取組を行って
いることが望ましい。
(ハ) ポリファーマシーへの対策の観点から、「高齢者の医薬品適正使用の指針(総
論編)」(厚生労働省)、「高齢者の医薬品適正使用の指針(各論編(療養環境
別))」(厚生労働省)及び日本老年医学会の関連ガイドライン(高齢者の安全
な薬物療法ガイドライン)等を参考とすること。また、必要に応じて、患者に対
してポリファーマシーに関する一般的な注意の啓発を行うこと。その際、日本老
年医学会及び日本老年薬学会が作成する「高齢者が気を付けたい多すぎる薬と副
作用」等を参考にすること。なお、ここでいうポリファーマシーとは、「単に服
用する薬剤数が多いことではなく、それに関連して薬物有害事象のリスク増加、
服薬過誤、服薬アドヒアランス低下等の問題につながる状態」をいう。
ウ 手帳
(イ) 「手帳」とは、経時的に薬剤の記録が記入でき、かつ次の①から④までに掲げ
る事項を記録する欄がある薬剤の記録用の手帳をいう。
① 患者の氏名、生年月日、連絡先等患者に関する記録
② 患者のアレルギー歴、副作用歴等薬物療法の基礎となる記録
③ 患者の主な既往歴等疾患に関する記録
④ 患者が日常的に利用する保険薬局の名称、保険薬局又は保険薬剤師の連絡先等
①から③までの手帳の欄については、保険薬局において適切に記載されている
ことを確認するとともに、記載されていない場合には、患者に聴取の上記入する
か、患者本人による記入を指導するなどして、手帳が有効に活用されるよう努め
る。④については、当該保険薬局と他の保険薬局又は保険医療機関等の間で円滑
に連携が行えるよう、患者が日常的に利用する保険薬局があれば、その名称及び
保険薬局又は保険薬剤師の連絡先等を手帳に記載するよう患者に促すこと。
(ロ) 手帳については、患者に対して、手帳を活用することの意義、役割及び利用方
法等について十分な説明を行い、患者の理解を得た上で提供することとし、患者
の意向等を確認した上で手帳を用いないこととした場合にあっては、その理由を
薬剤服用歴等に記載する。なお、手帳を活用しているが、持参を忘れたこと等に
より提示できない患者に対しては、「注1」のただし書の点数を算定することに
なる旨説明するとともに、次回以降は手帳を提示するよう指導すること。
(ハ) (3)のウの手帳への記載による情報提供は、調剤を行った全ての薬剤について
行うこととする。この場合において、「服用に際して注意すべき事項」とは、重
大な副作用又は有害事象等を防止するために特に患者が服用時や日常生活上注意
すべき事項、あるいは投薬された薬剤により発生すると考えられる症状(相互作
用を含む。)等であり、投薬された薬剤や患者の病態に応じるものである。
(ニ) 手帳による情報提供に当たっては、患者に対して、保険医療機関を受診する際
には医師又は歯科医師に手帳を提示するよう指導を行う。また、患者が、保険医
療機関や他の保険薬局から交付されたものを含め、複数の手帳を所有していない
か確認するとともに、所有している場合は患者の意向を確認した上で、同一の手
帳で管理できると判断した場合は1冊にまとめる。なお、1冊にまとめなかった
場合については、その理由を薬剤服用歴等に記載する。
(ホ) 患者が手帳の持参を忘れたことにより提示できない場合は、手帳に追加すべき
事項が記載されている文書(シール等)を交付し、患者が現に利用している手帳
に貼付するよう患者に対して説明することで、既に患者が保有している手帳が有
効に活用されるよう努めるとともに、当該患者が次回以降に手帳を提示した場合
は、当該文書が貼付されていることを確認する。
(へ) 電子版の手帳については、「お薬手帳(電子版)の運用上の留意事項について」
(平成 27 年 11 月 27 日薬生総発第 1127 第4号)の「第三 運営事業者等が留意
すべき事項」を満たした手帳であれば、紙媒体の手帳と同様の取扱いとする。そ
の際、保険薬局においては、同通知の「第二 提供薬局等が留意すべき事項」を
満たす必要がある。
(ト) 手帳の媒体(紙媒体又は電子媒体)は患者が選択するものであり、手帳の提供
に当たっては、患者に対して個人情報の取扱い等の必要事項を説明した上で、患
者の意向を踏まえて提供する媒体を判断すること。
(チ) 紙媒体の手帳を利用している患者に対して、患者の希望により電子版の手帳を
提供する場合には、電子版の手帳にこれまでの紙媒体の情報を利用できるように
するなど、提供する保険薬局が紙媒体から電子媒体への切り替えを適切に実施で
きるよう対応すること。
エ その他
(3)のエの残薬の状況の確認に当たり、患者又はその家族等から確認できなかった
場合には、次回の来局時には確認できるよう指導し、その旨を薬剤服用歴等に記載す
る。
3 服薬管理指導料「3」
(1) 服薬管理指導料「3」は、保険薬剤師が患者の入所している特別養護老人ホームを
訪問し、当該患者等(当該患者の薬剤を管理している当該施設の職員を含む。)に
対して対面により必要な指導等を行った場合に算定する。特別養護老人ホームの患
者等(当該患者の薬剤を管理している当該施設の職員を含む。)に対して、情報通
信機器を用いた服薬指導(以下「オンライン服薬指導」という。)等を行った場合
においても、服薬管理指導料「3」を算定することとし、服薬管理指導料「4」は
算定できない。
(2) 服薬管理指導料「3」についても、「区分10の3 服薬管理指導料」の2の(2)
から(4)に関する業務を実施すること。ただし、(3)のイについては、必要に応じ
て実施すること。
(3) 「注 12」に規定する交通費は実費とする。
4 服薬管理指導料「4」
(1) 服薬管理指導料「4」は、オンライン服薬指導等を行った場合に、以下の区分によ
り算定する。ただし、特別養護老人ホームの患者等(当該患者の薬剤を管理してい
る当該施設の職員を含む。)に対して、オンライン服薬指導等を行った場合におい
ては、服薬管理指導料「3」を算定する。
ア 服薬管理指導料「4のイ」
3月以内に再度処方箋を持参した患者であって、手帳を提示したもの
イ 服薬管理指導料「4のロ」
以下のいずれかに該当する患者
(イ) 初めて処方箋を持参した患者
(ロ) 3月を超えて再度処方箋を持参した患者
(ハ) 3月以内に再度処方箋を持参した患者であって、手帳を提示していないもの
(2) オンライン服薬指導等により、服薬管理指導料に係る業務を実施すること。
(3) 医薬品医療機器等法施行規則(昭和 36 年厚生省令第1号)及び関連通知又は厚生
労働省関係国家戦略特別区域法施行規則(平成 26 年厚生労働省令第 33 号)及び関連通
知に沿って実施すること。
(4) 患者の薬剤服用歴等を経時的に把握するため、原則として、手帳により薬剤服用歴
等及び服用中の医薬品等について確認すること。また、患者が服用中の医薬品等に
ついて、患者を含めた関係者が一元的、継続的に確認できるよう必要な情報を手帳
に添付又は記載すること。
(5) 当該服薬指導を行う際の情報通信機器の運用に要する費用及び医薬品等を患者に配
送する際に要する費用は、療養の給付と直接関係ないサービス等の費用として、社
会通念上妥当な額の実費を別途徴収できる。
(6) 薬剤を患者に配送する場合は、その受領の確認を行うこと。
5 麻薬管理指導加算
割愛
6 特定薬剤管理指導加算1
割愛
7 特定薬剤管理指導加算2
割愛
8 乳幼児服薬指導加算
割愛
9 小児特定加算
割愛
10 吸入薬指導加算
割愛
11 調剤後薬剤管理指導加算
割愛
12 服薬管理指導料の特例(手帳の活用実績が相当程度あると認められない保険薬局が算定
する服薬管理指導料)
割愛
※5~12は各ページ参照
13 服薬管理指導料の特例(かかりつけ薬剤師と連携する他の薬剤師が対応した場合)
(1) 患者に対する服薬指導等の業務について、患者が選択した保険薬剤師(以下「かか
りつけ薬剤師」という。)がやむを得ない事情により業務を行えない場合に、あら
かじめ患者が選定した当該保険薬局に勤務する他の保険薬剤師(1名までの保険薬
剤師に限る。以下「かかりつけ薬剤師と連携する他の薬剤師」という。)が、かか
りつけ薬剤師と連携して患者の服薬状況を一元的・継続的に把握した上で服薬指導
等を行った場合に算定できる。
(2) 当該特例は、当該保険薬局における当該患者の直近の調剤において、区分13の2
に掲げるかかりつけ薬剤師指導料又は区分13の3に掲げるかかりつけ薬剤師包括
管理料を算定した患者について算定できるものとする。
(3) 算定に当たっては、かかりつけ薬剤師がやむを得ない事情により業務を行えない場
合にかかりつけ薬剤師と連携する他の薬剤師が服薬指導等を行うことについて、患
者が希望する場合は、あらかじめ別紙様式2を参考に作成した文書で患者の同意を
得ること。その場合、当該保険薬剤師の氏名について当該文書に記載すること。
(4) かかりつけ薬剤師と連携する他の薬剤師がかかりつけ薬剤師指導料の(6)に準じ
て、服薬管理指導料の注1に規定する指導等を全て行った場合に算定する。
(5) かかりつけ薬剤師と連携する他の薬剤師は、当該患者の服薬状況、服薬期間中の体
調の変化及び当該患者の指導において注意すべき事項等の情報をかかりつけ薬剤師
と共有すること。
(6) かかりつけ薬剤師と連携する他の薬剤師が服薬指導等を行った場合は、当該服薬指
導等の要点について薬剤服用歴等に記載するとともに、かかりつけ薬剤師に必要な
情報を共有すること。
告示:特掲診療科の施設基準等の一部を改正する件
十 服薬管理指導料の注5及びかかりつけ薬剤師指導料の注3に規定する医薬品
別表第三の三に掲げる医薬品
別表第三の三
薬剤管理指導料の対象患者並びに服薬管理指導料及びかかりつけ薬剤師指導料に規定
する医薬品
抗悪性腫瘍剤 免疫抑制剤 不整脈用剤 抗てんかん剤 血液凝固阻止剤(内服薬に限る。) ジギタリス製剤 テオフィリン製剤 カリウム製剤(注射薬に限る。) 精神神経用剤 糖尿病用剤 膵臓ホルモン剤 抗HIV薬
十の四 服薬管理指導料の注10に規定する厚生労働大臣が定めるもの
次のいずれかに該当するものであること。
(1) 新たにインスリン製剤又はスルフォニル尿素系製剤が処方されたもの
(2) インスリン製剤又はスルフォニル尿素系製剤に係る投薬内容の変更が行われたもの
十の五 服薬管理指導料の注13に規定する厚生労働大臣が定める保険薬局
適切な手帳の活用実績が相当程度あると認められない保険薬局であること。 (50%以下 下記に詳細記載)
十の六 服薬管理指導料の注14に規定する厚生労働大臣が定めるもの
かかりつけ薬剤師指導料又はかかりつけ薬剤師包括管理料に係る患者の同意を得た保険薬剤師と連携した指導等を行うにつき十分な経験等を有する者であること(要件は下記)
特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて
第 99 服薬管理指導料の注 13 に規定する保険薬局(手帳の活用実績が少ない保険薬局)
1 「適切な手帳の活用実績が相当程度あると認められない保険薬局」とは、3月以内に再度処方箋を持参した患者への服薬管理指導料の算定回数うち、手帳を提示した患者への服薬管理指導料の算定回数の割合が 50%以下である保険薬局であること。この場合において、小数点以下は四捨五入すること。
2 手帳の活用実績は、調剤基本料の施設基準に定める処方箋受付回数の取扱いと同様に、前年3月1日から当年2月末日までの服薬管理指導料の実績をもって該当性を判断し、当年4月1日から翌年3月 31 日まで適用する。その他、新規に保険薬局に指定された薬局、開設者の変更等の取扱いについても、調剤基本料の施設基準に定める処方箋受付回数の取扱いと同様とする。
3 1及び2により、「適切な手帳の活用実績が相当程度あると認められない保険薬局」に該当した場合であっても、直近3月間における1の割合が 50%を上回った場合には、2にかかわらず、当該割合を満たした翌月より「適切な手帳の活用実績が相当程度あると認められない保険薬局」に該当しないものとする。
第 99 の2 服薬管理指導料の注 14 に規定する保険薬剤師(かかりつけ薬剤師と連携する他の薬剤師が対応した場合)
1 「かかりつけ薬剤師と連携する他の薬剤師」は以下の要件を全て満たす保険薬剤師であること。
(1) 保険薬剤師として3年以上の薬局勤務経験があること。なお、保険医療機関の薬剤師としての勤務経験を1年以上有する場合、1年を上限として保険薬剤師としての勤務経験の期間に含めることができる。
(2) 当該保険薬局に継続して1年以上在籍していること。
疑義解釈
令和4年度
疑義解釈(その1) R4.3.31
【服薬管理指導料】
問 24 服薬管理指導料の「4」情報通信機器を用いた服薬指導を行った場合
(オンライン服薬指導)及び在宅患者オンライン薬剤管理指導料における
「関連通知」とは、具体的には何を指すのか。
(令和4年3月 31 日薬生発 0331 第 17 号。厚生労働省医薬・生活衛生局長
通知)を指す。
なお、これに伴い、「疑義解釈資料の送付について(その5)」(令和2年
4月 16 日事務連絡)別添2の問4は廃止する。
【服薬管理指導料の特例(手帳の活用実績が相当程度あると認められない保険
薬局が算定する服薬管理指導料)】
問 25 服薬管理指導料の注 13 に規定する特例(手帳の活用実績が相当程度あ
ると認められない保険薬局が算定する服薬管理指導料)の対象薬局につい
て、かかりつけ薬剤師指導料、かかりつけ薬剤師包括管理料又は服薬管理
指導料の注 14 に規定する特例(かかりつけ薬剤師と連携する他の薬剤師
が対応した場合)は算定可能か。
(答)不可。
【服薬管理指導料の特例(かかりつけ薬剤師と連携する他の薬剤師が対応した
場合)】
問 26 「算定に当たっては、かかりつけ薬剤師がやむを得ない事情により業
務を行えない場合にかかりつけ薬剤師と連携する他の薬剤師が服薬指導
等を行うことについて、・・・あらかじめ患者の同意を得ること」とあるが、
処方箋を受け付け、実際に服薬指導等を実施する際に同意を得ればよい
か。
(答)事前に患者の同意を得ている必要があり、同意を得た後、次回の処方箋受
付時以降に算定できる。
問 27 かかりつけ薬剤師と連携する他の薬剤師に該当する薬剤師が、異動等
により不在の場合は、次回の服薬指導の実施時までに、新たに別の薬剤師
を当該他の薬剤師として選定すれば、当該服薬指導の実施時に服薬管理指
導料の特例(かかりつけ薬剤師と連携する他の薬剤師が対応した場合)を
算定可能か。
(答)不可。次に要件を満たした際に算定可能。
問 28 既にかかりつけ薬剤師指導料等の算定に係る同意を得ている患者に対
し、かかりつけ薬剤師と連携する他の薬剤師が対応した場合の特例に係る
同意を追加で得る場合は、かかりつけ薬剤師の同意書に追記する又は別に
当該特例に係る同意を文書で得るといった対応をすればよいか
(答)よい。ただし、既存の同意書に当該特例に係る同意に関して追記する場合
には、当該同意を得た日付を記載するとともに、改めて患者の署名を得るな
ど、追記内容について新たに同意を取得したことが確認できるようにする
こと。また、別に文書により当該特例に係る同意を得る場合については、既
存の同意書と共に保管すること。
令和2年度
(その1)
【薬剤服用歴管理指導料】問7 患者が日常的に利用する保険薬局の名称等の手帳への記載について、患者又はその家族等が記載する必要があるか。
(答)原則として、患者本人又はその家族等が記載すること。
問8 手帳における患者が日常的に利用する保険薬局の名称等を記載する欄 について、当該記載欄をシールの貼付により取り繕うことは認められるか。
(答)認められる。
問9 国家戦略特区における遠隔服薬指導(オンライン服薬指導)については、 一定の要件を満たせば暫定的な措置として薬剤服用歴管理指導料が算定できることとされていた。令和2年度改定により、この取扱いはどうなるのか。
(答)国家戦略特区におけるオンライン服薬指導についても、薬剤服用歴管理指導料「4」に基づき算定するものとした。なお、国家戦略特区における離島・ へき地でのオンライン服薬指導の算定要件ついては、服薬指導計画の作成を求めないなど、一定の配慮を行っている。 また、これに伴い、「疑義解釈資料の送付について(その 19)」(令和元年 12 月 26 日付け事務連絡)別添の問1は廃止する。
(その5)
問4 薬剤服用歴管理指導料の4(オンライン服薬指導)の算定要件・施設基準にある「関連通知」とは具体的に何を指すのか。
(答)「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律 等の一部を改正する法律の一部の施行について(オンライン服薬指導関 係)」(令和2年3月 31 日付け薬生発 0331 第 36 号厚生労働省医薬・生活衛 生局長通知)を指す。