ロヒプノールとベンザリンの違い

中時間作用型のベンゾジアゼピン系睡眠薬2剤の比較

ロヒプノール(フルニトラゼパム)とベンザリン(ニトラゼパム)は共に中時間作用型の睡眠薬で中途覚醒時に処方される。

先日ロヒプノール1㎎を服用していたがそれでも途中で起きてしまう患者さんの薬剤がベンザリン5㎎に変更となっていた。

作用時間はベンザリンのほうが若干長いイメージだが、強さはフルニトラゼパムのイメージだったのですが、どうなのでしょうか。


基本情報

ロヒプノール(フルニトラゼパム)
適応:不眠症、麻酔前投与
用量:0.5~2㎎ (高齢者1㎎まで)

ベンザリン(ニトラゼパム)
適応:不眠症、麻酔前投与、てんかん(異型小発作群、焦点性発作)
用量:5~10㎎ (てんかん:5~15㎎分割)


作用時間の比較

Tmax
ロヒプノール:0.75時間(0.5~4.0)
ベンザリン :1.60時間

半減期
ロヒプノール:6.8時間 (添付文書:19.2時間)
ベンザリン :27.1時間

添付文書を見るとロヒプノールの半減期は19.2時間との記載があるが、今日の治療薬は6.8時間と書いてある。

これはロヒプノールの血中濃度変化が2相性のため。
前半12時間くらいまでは結構な勢いで血中濃度が低下する。


データのみを比較すればロヒプノールのほうが発現時間は早い(かなり幅があるが)が持続時間は短い

ので、今回ロヒプノールでも中途覚醒してしまうとのことだったのでベンザリンへの変更は持続時間の延長を目的にしていると推測できそうです。


睡眠作用の強さ

ロヒプノールのインタビューフォームを見ていると、フルニトラゼパムはニトラゼパムにフッ素とメチル基を修飾することで強力な薬理活性を認め・・・という記載がある。

日本睡眠学会のガイドラインを見ると、睡眠障害の改善度は、ベンゾジアゼピン系、非ベンゾジアゼピン系、メラトニン受容体刺激薬含め、全体的に大差はないとされている。

なので強さを見るのではなく、基本的には作用時間で使い分けるのが一般的のよう。

ちなみに強さを比べた場合はロヒプノール>ベンザリンのよう。


まとめ

ロヒプノールはベンザリンより効果発現、消失ともに早い

ベンザリンは長く作用するため、てんかんにも適応がある

強さ≠改善 ベンゾジアゼピン系の睡眠改善作用に大差はないとのこと

 2018年2月2日

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