年度途中に調剤基本料は区分変更できる? 吸収合併された場合は?
結論からいうと、基本はできません。(調剤基本料の注1、注3の一部に該当した場合は例外)
当たり前ですかね。
こんなことを考える人は少ないかもしれませんが・・・
長年薬局業務に携わっている方からすると変更できないのが当たり前なのでしょうが、個人的にはわかりにくいと思っていました。
他の特掲診療(後発、地域支援等)は要件を満たせば途中でも追加できるので…
他の特掲診療(後発、地域支援等)は要件を満たせば途中でも追加できるので…
調剤基本料を決める際の集計期間
なぜ変更できないかは、特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについてを見ると以下の記載がある。
第2 届出に関する手続き
(13) 調剤基本料の施設基準
ア 処方箋受付回数
(イ) 前年3月1日から当年2月末日までの1年間の処方箋受付回数の実績をもって施設 基準の適合性を判断し、当年4月1日から翌年3月末日まで所定点数を算定する。
(13) 調剤基本料の施設基準
ア 処方箋受付回数
(イ) 前年3月1日から当年2月末日までの1年間の処方箋受付回数の実績をもって施設 基準の適合性を判断し、当年4月1日から翌年3月末日まで所定点数を算定する。
調剤基本料は受付回数、集中率で変わってきますが、これらの集計期間は上記のように決められている。
なので、その年から集中率が下がって基準値以下になったとしても、集計期間はあくまで1年前の実績なのでその年度は変更できない。
翌年から変更できるということになる。
ただし2年に1回は改定があるので、チャンスは1回という感じでしょうか。
以前は「調剤報酬に関する事項」にこの記載があったが、30年度改定時は記載なし。
前述した「特掲診療科の診療科~」には記載があるが、この資料600ページもある。
もっとわかりやすくしてほしいですね。
例外として、調剤基本料の注1、注3のかかりつけ機能にかかる基本的な業務~に該当した場合は途中でも変更できます。
第2 届出に関する手続き
(14) 調剤基本料の注1ただし書に規定する施設基準
当年2月末日時点の状況をもって施設基準の適合性を判断し、当年4月1日から翌年3月末日まで所定点数を算定する。ただし、当年4月1日から翌年3月末日までの間に、新たに施設基準に適合した場合は、届出を行うことができ、届出のあった月の末日までに要件審査を終え、届出を受理した場合は、翌月の1日から翌年の3月末日まで所定点数を算定することができるものとする。
(14) 調剤基本料の注1ただし書に規定する施設基準
当年2月末日時点の状況をもって施設基準の適合性を判断し、当年4月1日から翌年3月末日まで所定点数を算定する。ただし、当年4月1日から翌年3月末日までの間に、新たに施設基準に適合した場合は、届出を行うことができ、届出のあった月の末日までに要件審査を終え、届出を受理した場合は、翌月の1日から翌年の3月末日まで所定点数を算定することができるものとする。
調剤基本料の注1は医療資源の乏しい地域の特例
詳しくはこちら。
第 91 調剤基本料の注3に規定する保険薬局
長座基本料の注1は妥結率、かかりつけの基本的な業務に関する減算。
かかりつけ機能に係る基本的な業務を年10回以上実施していない薬局は50/100になるが、超えた翌月からは減算対象外となる。
こちらは途中で区分変更というよりは減算対象でなくなるという表現。
新規開局時や開設者変更時
ちなみ新規開局の場合は途中で変更できる(というか変更が生じる場合はしなければならない)こちらに関しては以前記載しているのでこちらの記事参照。
一応「特掲診療科の診療科~」の該当部分(先ほどのア-(イ)の続き)も抜粋。
(ロ)(イ)にかかわらず、前年3月1日以降に新規に保険薬局に指定された薬局については、次のとおりとし、処方箋受付回数の実績が判断されるまでは、調剤基本料1に該当しているものとして取り扱う(ただし、病院である保険医療機関と不動産取引等その他の特別な関係を有しているものとして別添1の第90の1(1)のアからエまでに該当する場合は、特別調剤基本料とする。特別調剤基本料の施設基準に該当する場合を除き、特定の保険医療機関との間で不動産の賃貸借取引がある等の施設基準に該当する場合は調剤基本料3とする。)。
a前年3月1日から前年11月30日までの間に新規に指定された保険薬局について指定の日の属する月の翌月1日から当年2月末日までの処方箋受付回数で判定し、当年4月1日から翌年3月31日まで適用する。
b前年12月1日以降に新規に保険薬局に指定された薬局について指定の日の属する月の翌月1日から3か月間の処方箋受付回数で判定し、当該3か月の最終月の翌々月1日から翌年3月31日まで適用する。
(ハ) 開設者の変更(親から子へ、個人形態から法人形態へ、有限会社から株式会社へ等)又は薬局の改築等の理由により医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号)(以下「医薬品医療機器等法」という。)上の薬局の開設許可を取得し直し、保険薬局の指定について薬局の当該許可の日までの遡及指定が認められる場合は、(ロ)bにかかわらず、当該遡及指定前の実績に基づいて取り扱う。
a前年3月1日から前年11月30日までの間に新規に指定された保険薬局について指定の日の属する月の翌月1日から当年2月末日までの処方箋受付回数で判定し、当年4月1日から翌年3月31日まで適用する。
b前年12月1日以降に新規に保険薬局に指定された薬局について指定の日の属する月の翌月1日から3か月間の処方箋受付回数で判定し、当該3か月の最終月の翌々月1日から翌年3月31日まで適用する。
(ハ) 開設者の変更(親から子へ、個人形態から法人形態へ、有限会社から株式会社へ等)又は薬局の改築等の理由により医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号)(以下「医薬品医療機器等法」という。)上の薬局の開設許可を取得し直し、保険薬局の指定について薬局の当該許可の日までの遡及指定が認められる場合は、(ロ)bにかかわらず、当該遡及指定前の実績に基づいて取り扱う。
吸収合併された場合
M&Aにより吸収された場合でもその年度はそのままでいい。
「疑義解釈 その1」抜粋
(問3)既に指定を受けている保険薬局がある薬局グループに新たに属することにな り、その結果、調剤基本料3の施設基準の要件に該当することになった場合は、 年度の途中であっても調剤基本料の区分を変更するための施設基準を改めて届 け出る必要があるか。
(答)既に指定を受けている保険薬局としては、調剤基本料は4月1日から翌年3月末日まで適用されているので、同一グループに新たに所属したことをもって改めて届 け出ることは不要であり、所属する前の調剤基本料が算定可能である。なお、次年 度の調剤基本料の区分は、当年3月1日から翌年2月末日までの実績に基づき判断し、現在の区分を変更する必要がある場合は翌年3月中に調剤基本料の区分変更の届出を行うこと。