花粉症で使用される目薬 コンタクトレンズの着用可否と再装着までの間隔
個人的にはパタノールやアレジオンが多く処方されているイメージですが、各薬剤差が出る特徴はあるのでしょうか。
もっとも比較しやすい部分はコンタクトの試用可否。
ベンサルコニウムは角膜上皮細胞等に対し細胞障害作用を示し、ソフトコンタクトに吸着・蓄積するため、ベンザルコニウム含有点眼剤は通常ソフトコンタクトレンズ着用時の使用は不可。
もっとも比較しやすい部分はコンタクトの試用可否。
ベンサルコニウムは角膜上皮細胞等に対し細胞障害作用を示し、ソフトコンタクトに吸着・蓄積するため、ベンザルコニウム含有点眼剤は通常ソフトコンタクトレンズ着用時の使用は不可。
点眼薬とコンタクトの可否一覧
〇:添付文書に不可の記載なし、ベンザルコニウム/パラベン類非含有
△:2週間までは問題なしとのデータあり
✖:添付文書等に不可の記載あり又はベンザルコニウム含有
商品名 | 成分 | 用法 | 防腐剤 | ソフト | ハード | 浸透圧比 | 小児 | その他 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
アレジオン |
エピナスチン 塩酸塩 |
1日4回 | なし | 〇 | 〇 | 0.9~1.1 |
7歳以上 (7歳未満 臨床試験なし) |
|
アレジオンLX |
エピナスチン 塩酸塩 |
1日2回 | なし | 〇 | 〇 | 0.9~1.1 |
12歳以上 (12歳未満 臨床試験なし) |
|
ザジテン |
ケトチフェン フマル酸塩 |
1日4回 | ベンザルコニウム塩化物 | × | 〇 | 0.7~1.1 |
ー (記載なし) |
|
ケトチフェンPF点眼液「日点」 |
ケトチフェン フマル酸塩 |
1日4回 | なし | 〇 | 〇 | 0.7~1.1 |
ー (記載なし) |
|
パタノール |
オロパタジン 塩酸塩 |
1日4回 | ベンザルコニウム塩化物 | × | 〇 | 0.9~1.1 |
9歳以上 (9歳未満 臨床試験なし) |
|
リボスチン |
レボカバスチン 塩酸塩 |
1日4回 | ベンザルコニウム塩化物 | × | × | 0.9~1.1 |
1歳以上 (1歳未満 臨床試験なし) |
懸濁液 |
アレギサール |
ペミロラスト カリウム |
1日2回 | ベンザルコニウム塩化物 | × | 〇 | 0.7~0.9 |
1歳以上 (1歳未満 臨床試験なし) |
|
クロモグリク酸 点眼液(GEのみ) |
クロモグリク酸 ナトリウム |
1日4回 | ベンザルコニウム塩化物 | × | 〇 | 0.2~0.4 | × | |
クロモグリク酸Na ・PF点眼液「日点」 |
クロモグリク酸 ナトリウム |
1日4回 | なし | 〇 | 〇 | 0.2~0.4 | × | |
ケタス | イブジラスト | 1日4回 | ベンザルコニウム塩化物液 | × | 〇 | 1 |
5歳以上 (5歳未満の 使用経験少) |
|
ゼペリン |
アシタザノラスト 水和物 |
1日4回 |
クロロブタノール パラオキシ安息香酸メチル パラオキシ安息香酸プロピル |
△ | 〇 | 0.8~1.3 |
△ (使用経験少) |
|
リザベン (併売:トラメラス) |
トラニラスト | 1日4回 | ベンザルコニウム塩化物 | × | × | 0.9~1.1 |
1歳以上 (1歳未満 臨床試験なし) |
冷蔵× (結晶析出) |
トラメラスPF | トラニラスト | 1日4回 | なし | 〇 | 〇 | 0.9~1.1 |
1歳以上 (1歳未満 臨床試験なし) |
注:〇になっているものもメーカーに聞くとデータがないため非推奨との回答が得られる場合あり。
アレジオン点眼液はベンザルコニウム非含有に変更となり、添付文書の注意書きが削除になったため、コンタクトレンズをしたままでも使用可能と言われるようになりました。
(ただし、使用可能と記載されているわけではない。使用ダメの記載削除=使用可能との解釈)
メーカーに確認しても使用は問題ないと説明された。
コンタクト再装着までの間隔
コンタクトを外した後は5~10分間隔を開ければ再装着してよいと書かれているものがある。※1しかし、添付文書にコンタクトを外すように記載のある以下の薬剤に関しては異なった時間が記載されている。
ザジテン:15分以上経過後に装着※2
パタノール:10分以上経過後に装着※3
(リボスチンは外すように記載はあるが再装着までの間隔は記載なし)
では、他の点眼は何をもとに考えればいいでしょうか。
パタノールのインタビューフォームを見ていると以下のデータが載っている。
”ソフトコンタクトレンズを装用時にベンザルコニウム塩化物を含有するレボカバスチン塩酸塩点眼液を点眼すると、ベンザルコニウム塩化物がレンズに吸着されると いう報告がある。また、0.01%ベンザルコニウム塩化物を含有するNaphcon-A®点眼液(0.3%フェニ ラミンマレイン酸塩と0.025%ナファゾリン塩酸塩を含有、国内未発売)を1週間点眼した被験者から集めたソフトコンタクトレンズを測定したところ、レンズを装用したまま点眼した群はレンズにベンザルコニウム塩化物が吸着されていたが、点眼時にレンズをはずし、点眼5分後に装用した群はベンザルコニウム塩化物の吸着量はほぼ0であったとの報告がある。著者らは結膜嚢から点眼剤の排泄が遅い患者がいたとしても、点眼後10分おいてからレンズを装用するよう指導すれば、レンズへの吸着は防げると考察している。”
5分でベンザルコニウムの吸着はほぼ0、安全性のため10分。
ってことで10分くらい空いていればいいでしょうか。
ちなみに参天さんのホームページでは5分以上間隔をおけば、涙液でながれているから大丈夫と記載されている。※4
そしてSANOFIのHPには15分以上あけるようにとの記載がある。
どれでしょうか・・・
薬剤によって濃度や吸着量は多少異なるでしょうから確実に15分と言っていくべきでしょうか。
もう少し詳細なデータがあれば更新します。
抗アレルギー点眼剤は懸濁液や粘度の高いものがないのでこの部分は気にしなくてよさそう。
まとめ
コンタクトを着用したまま使用できる点眼剤
コンタクト再装着までの時間
いろいろな記載はあるが、最も長い15分空けていれば安全?
抗アレルギー薬比較一覧はこちら
※1 日本眼科医学会 点眼剤の適正使用ハンドブック Q&A
※2 ザジテン点眼液添付文書
※3 パタノール点眼液添付文書
※4 参天ホームページ