花粉症(アレルギー性鼻炎)と薬剤が受験成績に与える影響

花粉症の薬で受験成績が落ちる? それとも鼻炎症状で受験成績が落ちる?

花粉症の症状は受験の妨げになるので受験シーズンは何とかしてほしいと訴える患者さんやご家族が多い。

第2世代の抗アレルギー薬は眠気が出る人はかなり少ないですが、眠くなくても集中力が低下する可能性がある(インペアードパフォーマンス)。


薬を飲まないで試験勉強したほうが効率が良いのか?

薬を飲まずに鼻炎症状が出てしまっているほうが集中力は低下するのか? 

第1世代と第2世代での影響に違いはどうなのか?
 

先日、普段フェキソフェナジンを服用している患者さんからセレスタミンを受験当日だけでも服用したほうが良いのか質問をされたので、調べてみました。

※花粉症の薬全般の比較はこちら:花粉症の薬比較

鼻炎症状と薬剤が試験成績に与える影響


第2世代 vs クロルフェニラミン(ポララミン) vs プラセボ


症例対照研究※1ですが、以下のようなものがある。


対象:国家試験を受けた1834名のうち、模擬試験の成績より本番で1科目でも成績が悪くなった人を症例群(662例)、成績の低下がなかった人を対照群(1172例)とする。

方法
:鼻炎症状がある人、薬剤服用者(クロルフェニラミン以外の抗アレルギー薬)、クロルフェニラミン服用者の割合を2群間で比較。(性別、喫煙歴、学校で調整)

結果
:成績を落とした群で、鼻炎症状のある人、薬剤服用者、クロルフェニラミン服用者の割合が優位に高かった。≒症状or薬剤で成績が落ちる可能性。

文献※1より

症状があっても、薬を飲んでも、成績落ちる人が多かったという結果。


薬を飲んでいる人は症状のあった人に全員含まれているよう。(ここが明確に分からない)

だとすると、通常の抗アレルギー薬を服用した場合にオッズ比1.36で、症状ある群(薬服用、非服用がいるはず)のオッズ比1.43より低いので、非鎮静系の薬剤であれば飲んだほうがよさそう


鎮静系(今回はクロルフェニラミンのみが該当)ではオッズ比1.71と最も悪くなっているので、この場合は症状あっても飲まないほうがよいという解釈になりそう。


症状の悪化具合と症状の酷さは相関性があったとのことなので、どちらかというと症状のほうが影響していそうでしょうか。




ジフェンヒドラミン vs 第2世代 vs プラセボ


こちらの文献※2では、ジフェンヒドラミン、アクリバスチン(日本未発売、抗コリン作用少なく眠気も出にくい、第2世代に分類される)、プラセボで比較している。


対象:鼻炎患者67人(ジフェンヒドラミン、アクリバスチン、プラセボに無作為化)とマッチングさせた健常人28人

方法
:ジフェンヒドラミン群、アクリバスチン(+プソイドエフェドリン)群、プラセボ群に分けて3日間トレーニングを行い、その後全員アクリバスチン+プソイドエフェドリンを14日服用し、試験を実施。二重盲検。

結果
:ジフェンヒドラミン群ではアクリバスチン群および健常人より有意に成績が悪かった。アクリバスチン群は健常人と同程度であった。

フルテキスト見れないので詳細が不明。

プラセボとの比較結果が見れないので、これだけでジフェンヒドラミンにより成績が落ちたか不明。

ただ、結論として「ジフェンヒドラミンはアレルギー症状の患者のパフォーマンスをさらに低下させる」と記載されており、プラセボ群より成績が落ちてそうな書き方がされている。

アクリバスチン+プソイドエフェドリン群では健常人なみの成績であったとのことで、第2世代で症状をおさえたほうがよいということになっている。





以上

鼻炎の症状がある時点で普段の勉強も集中力が低下し、試験成績が悪い傾向になるという・・・花粉症を舐めたらいけませんね。


とりあえず、第2世代と点鼻で症状緩和がベターという感じ。


それでダメな場合に、ポララミンやセレスタミンを併用するとインペアードパフォーマンスによりさらに成績落ちるかもしれない・・・安易に勧められない。


まとめ

鼻炎症状で試験成績が落ちる可能性あり

鎮静系(クロルフェニラミン、ジフェンヒドラミン)により、何も服用しない場合よりも試験成績が落ちる可能性あり

第2世代は服用して症状おさえたほうが試験成績は良くなりそう


※1 J Allergy Clin Immunol . 2007 Aug;120(2):381-7. 
※2 Ann Allergy Asthma Immunol. 1996; 76: 247-252

 2021/02/28

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