医療情報・システム基盤整備体制充実加算

 医療情報・システム基盤整備体制充実加算の施設基準、算定要件 それに伴う薬担規則の改正


令和4年10月改定分

電子的保健医療情報活用加算が削除され、医療情報・システム基盤整備体制充実加算が新設
要件を満たしていれば届出不要

これに合わせて薬担規則が改定。薬局は電子資格確認できる体制を整備しておかなければならないことになる。(施行:令和5年4月1日)

★令和5年4月1日~12月31日まで特例措置あり(3点→4点)


令和5年4月1日~の特例措置について

【算定要件】
[経過措置]
2 第2節の規定にかかわらず、令和5年12月31日までの間、調剤に係る十分な情報を取得する体制として別に厚生労働大臣が定める施設基準を満たす保険薬局(区分番号10の2の注3に規定する別に厚生労働大臣が定める保険薬局を除く。)において調剤を行った場合は、同区分番号の注6中「3点」とあるのは「4点」とする。

【施設基準】
[経過措置]
4 令和5年12月31日までに電子情報処理組織の使用による請求を開始する旨の届出を行っている保険薬局については、令和5年12月31日までの間に限り、第15の9の5の(1)に該当するものとみなす

【届出】(特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて)
第 97 の3 医療情報・システム基盤整備体制充実加算 

1 医療情報・システム基盤整備体制充実加算に関する施設基準 
(1)~(3)略
(4) 電子情報処理組織を使用した診療報酬請求を行っていない保険薬局が、令和5年 12 月 31 日までにこれを開始する旨について、地方厚生(支)局長に届け出た場合は、同日まで
の間に限り、(1)を満たしているものとみなす。

2 届出に関する事項 
(1) 医療情報・システム基盤整備体制充実加算に係る取扱いについては、当該基準を満たしていればよく、特に地方厚生(支)局長に対して、届出を行う必要はないこと。
(2) なお、1の(4)の届出は、別添2の様式 86 を用いること。
(3) 令和5年4月 10 日までに当該届出書の提出があり、同月末日までに要件審査を終え届出の受理が行われたものについては、同月1日に遡って算定することができるものとする。



概要

医療情報・システム基盤整備体制充実加算

・医療情報・システム基盤整備体制充実加算1:6月に1回に限り3点(R5.4~R5.12は4点)
 算定:施設基準を満たしている薬局で調剤をした際
 ※患者が薬剤情報等の取得に同意しなかった場合やカードの破損等により利用できない場合、利用者証明用電子証明書が失効している場合もこちら。

・医療情報・システム基盤整備体制充実加算2:6月に1回に限り1点
 算定:電子資格確認により患者に係る薬剤情報を取得等した場合
 ※情報の取得を試みたが患者の薬剤情報等が格納されていなかった場合もこちら。

調剤報酬点数表(診療報酬の算定方法の一部を改正する件)


第2節 薬学管理料

区分 
10 (略) 
10の2 調剤管理料 
1・2 (略)
注1~4 (略)
5 削除 (電子的保健医療情報活用加算)
6 調剤に係る十分な情報を取得する体制として別に厚生労働大臣が定める施設基準を満たす保険薬局(注3に規定する別に厚生労働大臣が定める保険薬局を除く。)において調剤を行った場合は、医療情報・システム基盤整備体制充実加算1として、6月に1回に限り3点を所定点数に加算する。ただし、健康保険法第3条第13項に規定する電子資格確認により患者に係る薬剤情報を取得等した場合にあっては、医療情報・システム基盤整備体制充実加算2として、6月に1回に限り1点を所定点数に加算する。


施設基準


第15
9の5
調剤管理料の注6に規定する医療情報・システム基盤整備体制充実加算の施設基準

(1)療養の給付及び公費負担医療に関する費用の請求に関する省令(昭和五十一年厚生省令第三十六号)第一条に規定する電子情報処理組織の使用による請求を行っていること。

(2)健康保険法第三条第十三項に規定する電子資格確認を行う体制を有していること。

(3)(2の)体制に関する事項及び質の高い調剤を実施するための十分な情報を取得し、及び活用して調剤を行うことについて、当該保険薬局の見やすい場所及びホームページ等に掲示していること。

届出

医療情報・システム基盤整備体制充実加算の取扱いについて(特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて)

第 97 の3 医療情報・システム基盤整備体制充実加算 

1 医療情報・システム基盤整備体制充実加算に関する施設基準

 (1) 電子情報処理組織を使用した診療報酬請求を行っていること。

 (2) 健康保険法第3条第 13 項に規定する電子資格確認(以下「オンライン資格確認」という。)を行う体制を有していること。なお、オンライン資格確認の導入に際しては、医療機
関等向けポータルサイトにおいて、運用開始日の登録を行う必要があることに留意すること。

 (3) 次に掲げる事項について、当該保険薬局の見やすい場所及びホームページ等に掲示していること。

  ア オンライン資格確認を行う体制を有していること。
  イ 当該保険薬局に来局した患者に対し、薬剤情報、特定健診情報その他必要な情報を取得・活用して調剤等を行うこと。


2 届出に関する事項
医療情報・システム基盤整備体制充実加算に係る取扱いについては、当該基準を満たしていればよく、特に地方厚生(支)局長に対して、届出を行う必要はないこと。


疑義解釈


【医療情報・システム基盤整備体制充実加算】 
問1 調剤管理料の注6に規定する医療情報・システム基盤整備体制充実加算 について、その施設基準としてオンライン資格確認の運用開始日の登録を行うこととあるが、どのように登録すればよいか。 
(答)別紙を参照されたい。 別紙:厚生労働省ホームページ https://www.mhlw.go.jp/content/10200000/000760048.pdf 

問2 調剤管理料の注6に規定する医療情報・システム基盤整備体制充実加算について、オンライン資格確認を導入し、運用開始日の登録を行った上で、実際に運用を開始した日から算定可能となるのか。 
(答)そのとおり。 

問3 調剤管理料の注6に規定する医療情報・システム基盤整備体制充実加算 について、オンライン資格確認等システムを通じて情報の取得を試みたが患者の薬剤情報等が格納されていなかった場合の算定は、どのようにすればよいか。 
(答)医療情報・システム基盤整備体制充実加算2を算定する。なお、薬剤服用歴等に、オンライン資格確認等システムを通じて情報の取得を試みたが患者の 薬剤情報等が格納されていなかった旨を記載すること。

 問4 調剤管理料の注6に規定する医療情報・システム基盤整備体制充実加算について、患者が薬剤情報等の取得に同意しなかった場合の算定は、どのようにすればよいか。また、患者の個人番号カードが破損等により利用できない場合や患者の個人番号カードの利用者証明用電子証明書が失効している場合の算定は、どのようにすればよいか。 
(答)いずれの場合も、医療情報・システム基盤整備体制充実加算1を算定する。 

問5 調剤管理料の注6に規定する医療情報・システム基盤整備体制充実加算 の施設基準等において、「ホームページ等に掲示」することとされているが、具体的にはどのようなことを指すのか。 
(答)例えば
・ 当該保険薬局のホームページへの掲載 
・ 当該保険薬局の所属する同一グループのホームページへの掲載(この場 合、当該施設基準を満たす保険薬局名が確認できるようになっている 必要がある) 
・ 自治体、地域薬剤師会等のホームページ又は広報誌への掲載 
・ 薬局機能情報提供制度等への掲載 等が該当する。

問6 調剤管理料の注6に規定する医療情報・システム基盤整備体制充実加算について、当該加算が算定できないタイミングにおいても、当該加算の算定に係る薬剤情報、特定健診情報その他必要な情報を取得・活用して調剤を実施する必 要があるということでよいか。 
(答)よい。なお、健康保険法第3条第 13 項に規定する電子資格確認により情報を取得した場合は必ずしも当該情報の全てを薬剤服用歴等に記載する必要はないが、少なくともその旨を薬剤服用歴等に記載する必要がある。 

問7 調剤管理料の注6に規定する医療情報・システム基盤整備体制充実加算 について、同加算1を算定する患者について、6月以内に同加算2は算定可能か。また、医療情報・システム基盤整備体制充実加算2を算定する患者について、 6月以内に同加算1は算定可能か。 (答)いずれも不可


薬担規則(薬保険医療機関及び保険医療養担当規則及び保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則)の改定)の改正

施行日:令和5年4月1日

(処方箋の確認)
 第三条保険薬局は、被保険者及び被保険者であつた者並びにこれらの者の被扶養者である患者(以下単に「患者」という。)から療養の給付を受けることを求められた場合には、その者の提出する処方箋が健康保険法(大正十一年法律第七十号。以下「法」という。)第六十三条第三項各号に掲げる病院又は診療所において健康保険の診療に従事している医師又は歯科医師(以下「保険医等」という。)が交付した処方箋であること及びその処方箋、法第三条第十三項に規定する電子資格確認(以下「電子資格確認」という。)又は患者の提出する被保険者証によつて療養の給付を受ける資格があることを確認しなければならない。ただし、緊急やむを得ない事由によつて療養の給付を受ける資格があることの確認を行うことができない患者であつて、療養の給付を受ける資格が明らかなものについては、この限りでない。

 2 患者が電子資格確認により療養の給付を受ける資格があることの確認を受けることを求めた場合における前項の規定の適用については、同項中「その処方箋、法第三条第十三項に規定する電子資格確認(以下「電子資格確認」という。)又は患者の提出する被保険者証」とあるのは「法第三条第十三項に規定する電子資格確認(以下「電子資格確認」という。)」と、「事由によつて」とあるのは「事由によつて電子資格確認により」とする。

 3療養の給付及び公費負担医療に関する費用の請求に関する省令(昭和五十一年厚生省令第三十六号)第五条第一項の規定により同項に規定する書面による請求を行つている保険薬局及び同令第六条第一項の規定により届出を行つた保険薬局については、前項の規定は、適用しない

4保険薬局(前項の規定の適用を受けるものを除く。)は、第二項に規定する場合において、患者が電子資格確認によつて療養の給付を受ける資格があることの確認を受けることができるよう、あらかじめ必要な体制を整備しなければならない

 2022年9月24日

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