特定薬剤管理指導加算1,2

特定薬剤管理指導加算1,2  (令和4年調剤報酬改定)


令和4年度調剤報酬改定 変更なし

特定薬剤管理指導1:10点
特定薬剤管理指導2:100点 (月1回)


概要

告示:調剤報酬点数表 別表第三


10の3 服薬管理指導料

5 特に安全管理が必要な医薬品として別に厚生労働大臣が定めるものを調剤した
場合であって、当該医薬品の服用に関し、その服用状況、副作用の有無等につい
て患者に確認し、必要な薬学的管理及び指導を行ったときには、特定薬剤管理指
導加算1として、10点を所定点数に加算する。

6 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等
に届け出た保険薬局において、別に厚生労働大臣が定める患者に対して、当該患
者の副作用の発現状況、治療計画等を文書により確認し、必要な薬学的管理及び
指導を行った上で、当該患者の同意を得て、悪性腫瘍の治療に係る薬剤の投薬又
は注射に関し、電話等により、その服用状況、副作用の有無等について患者に確
認し、保険医療機関に必要な情報を文書により提供した場合には、特定薬剤管理
指導加算2として、月1回に限り100点を所定点数に加算する。この場合におい
て、区分番号15の5に掲げる服薬情報等提供料は算定できない。


詳細

通知:調剤報酬点数表に関する事項

6 特定薬剤管理指導加算1
 (1) 特定薬剤管理指導加算1は、服薬管理指導料を算定するに当たって行った薬剤の管
理及び指導等に加えて、患者又はその家族等に当該薬剤が特に安全管理が必要な医
薬品である旨を伝え、当該薬剤についてこれまでの指導内容等も踏まえ適切な指導
を行った場合に算定する。なお、「薬局におけるハイリスク薬の薬学的管理指導に
関する業務ガイドライン」(日本薬剤師会)等を参照し、特に安全管理が必要な医
薬品に関して薬学的管理及び指導等を行う上で必要な情報については事前に情報を
収集することが望ましいが、薬局では得ることが困難な診療上の情報の収集につい
ては必ずしも必要とはしない。
 (2) 特に安全管理が必要な医薬品とは、抗悪性腫瘍剤、免疫抑制剤、不整脈用剤、抗て
んかん剤、血液凝固阻止剤(内服薬に限る。)、ジギタリス製剤、テオフィリン製
剤、カリウム製剤(注射薬に限る。)、精神神経用剤、糖尿病用剤、膵臓ホルモン
剤及び抗HIV薬をいう。なお、具体的な対象薬剤については、その一覧を厚生労
働省のホームページに掲載している。
 (3) 特に安全管理が必要な医薬品が複数処方されている場合には、その全てについて必
要な薬学的管理及び指導を行うこと。ただし、処方箋受付1回につき1回に限り算
定するものであること。
 (4) 対象となる医薬品に関して患者又はその家族等に対して確認した内容及び行った指
導の要点について、薬剤服用歴等に記載すること。なお、従来と同一の処方内容に
もかかわらず当該加算を継続して算定する場合には、特に指導が必要な内容を重点
的に行い、その内容を薬剤服用歴等に記載すること。

7 特定薬剤管理指導加算2
 (1) 特定薬剤管理指導加算2は、医科点数表の区分番号「B001-2-12」の「注6」
に規定する連携充実加算を届け出ている保険医療機関において、抗悪性腫瘍剤を注
射された悪性腫瘍の患者に対して、抗悪性腫瘍剤等を調剤する保険薬局の保険薬剤
師が以下のアからウまでの全てを実施した場合に算定する。
  ア 当該患者のレジメン(治療内容)等を確認し、必要な薬学的管理及び指導を行うこと。
  イ 当該患者が注射又は投薬されている抗悪性腫瘍剤及び制吐剤等の支持療法に係る薬剤に関し、電話等により服用状況、患者の服薬中の体調の変化(副作用が疑われる症状など)の有無等について患者又はその家族等に確認すること。
  ウ イの確認結果を踏まえ、当該保険医療機関に必要な情報を文書により提供すること。
 
 (2) 「抗悪性腫瘍剤等を調剤する保険薬局」とは、患者にレジメン(治療内容)等を交
付した保険医療機関の処方箋に基づき、保険薬剤師が抗悪性腫瘍剤又は制吐剤等の
支持療法に係る薬剤を調剤する保険薬局をいう。
 (3) 特定薬剤管理指導加算2における薬学的管理及び指導を行おうとする保険薬剤師は、
原則として、保険医療機関のホームページ等でレジメン(治療内容)等を閲覧し、あらかじめ薬学的管理等に必要な情報を把握すること。
 (4) 電話等による患者の服薬状況及び患者の服薬中の体調の変化(副作用が疑われる症
状など)の有無等の確認は、電話の他、リアルタイムでの画像を介したコミュニケーション(以下「ビデオ通話」という。)による連絡及び患者が他の保険医療機関の処方箋を持参した際の確認が含まれる。電話又はビデオ通話により患者に確認を行う場合は、あらかじめ患者に対し、電話又はビデオ通話を用いて確認することに
ついて了承を得ること。
 (5) 患者の緊急時に対応できるよう、あらかじめ保険医療機関との間で緊急時の対応方
法や連絡先等について共有することが望ましい。また、患者の服薬状況の確認において、重大な副作用の発現のおそれがある場合には、患者に対して速やかに保険医療機関に連絡するよう指導することや受診勧奨を行うことなどにより、必要な対応を行うこと。
 (6) 保険医療機関に対して情報提供した文書の写し又はその内容の要点等を薬剤服用歴
等に添付又は記載する。
 (7) 当該加算の算定時に行う保険医療機関への文書による情報提供については、服薬情
報等提供料は算定できない。
 (8) 患者1人につき同一月に2回以上の情報提供を行った場合においても、当該加算の
算定は月1回のみとする。
 (9) 抗悪性腫瘍剤等に関する患者の服用状況及び患者の服薬中の体調の変化(副作用が
疑われる症状など)の有無等の確認を行う際に、他の保険医療機関又は他の診療科で処方された薬剤に係る情報を得た場合には、必要に応じて、患者の同意を得た上で、当該他の保険医療機関等に情報提供を行うこと。この場合において、所定の要件を満たせば服薬情報等提供料を算定できる。


告示:特掲診療料の施設基準等の一部を改正する件

十の二 特定薬剤管理指導加算2の施設基準
当該管理及び指導等を行うにつき必要な体制が整備されていること


通知:特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて

第 98 特定薬剤管理指導加算2
1 特定薬剤管理指導加算2に関する施設基準
 (1) 施設基準の届出時点において、保険薬剤師としての勤務経験を5年以上有する薬剤師が勤務していること。なお、保険医療機関の薬剤師としての勤務経験を1年以上有する場合、1年を上限として保険薬剤師としての勤務経験の期間に含めることができる。
 (2) 薬学管理等の内容が他の患者に漏れ聞こえる場合があることを踏まえ、患者との会話のやりとりが他の患者に聞こえないようパーテーション等で区切られた独立したカウンターを有するなど、患者のプライバシーに配慮していること。
 (3) 麻薬及び向精神薬取締法第3条の規定による麻薬小売業者の免許を取得し、必要な指導を行うことができる体制が整備されていること。
 (4) 保険医療機関が実施する抗悪性腫瘍剤の化学療法に係る研修会に当該保険薬局に勤務する常勤の保険薬剤師が年1回以上参加していること。

2 届出に関する事項
特定薬剤管理指導加算2の施設基準に係る届出は、別添2の様式92を用いること。



特定薬剤管理指導1のハイリスク薬一覧

厚労省が運用している診療報酬情報提供サービスに一覧がエクセルでアップされている。
サイトはこちら


疑義解釈(令和2年 その1)

【特定薬剤管理指導加算2】
問 10 特定薬剤管理指導加算1と特定薬剤管理指導加算2は併算定可能か。
(答)特定薬剤管理指導加算2の算定に係る悪性腫瘍剤及び制吐剤等の支持療法に係る薬剤以外の薬剤を対象として、特定薬剤管理指導加算1に係る業務 を行った場合は併算定ができる。

問 11 患者が服用等する抗悪性腫瘍剤又は制吐剤等の支持療法に係る薬剤の調剤を全く行っていない保険薬局であっても算定できるか。
(答)算定できない。

 問 12 電話等により患者の副作用等の有無の確認等を行い、その結果を保険医療機関に文書により提供することが求められているが、算定はどの時点から行うことができるのか。 (答)保険医療機関に対して情報提供を行い、その後に患者が処方箋を持参した時である。 この場合において、当該処方箋は、当該加算に関連する薬剤を処方した保険医療機関である必要はない。なお、この考え方は、調剤後薬剤管理指導加算においても同様である。

問 13 電話等による服薬状況等の確認は、メール又はチャット等による確認でもよいか。 (答)少なくともリアルタイムの音声通話による確認が必要であり、メール又はチャット等による確認は認められない。なお、電話等による患者への確認に加 え、メール又はチャット等を補助的に活用することは差し支えない。


 2018年1月20日

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